ケリー・スターレット式 「座りすぎ」ケア完全マニュアル 姿勢・バイオメカニクス・メンテナンスで健康を守る
ケリー・スターレット ジュリエット・スターレット グレン・コードーザ 医道の日本社編集部
私は手技療法の仕事をしていますが、腰痛を訴えるクライアントの圧倒的多数が立ち仕事の方か、事務職やドライバーのように座る姿勢でのお仕事で、スポーツ選手のように激しい動きをなさる方よりも一定の姿勢を長時間こなす人の方が腰痛になりやすいという現状を見ています。知らない方には座っていると楽なように見えるようですが、かかる荷重負担のバランスの悪さや姿勢の特殊性からも、長時間の座位は様々な影響を与えます。
本書は「座りすぎ」の問題点を分析的に指摘した上で、身体にかかる負担を軽減するための方法論を様々な角度から解説しています。
まず座位の問題点を細かく指摘していますが、現実的に座ることは日常よくありますので、座ることそのものを否定することはできません。そういった職場環境でちょっとした工夫を加え負担を軽減できるようで、現実に沿った形での提言があるのはありがたいです。さらに身体の問題点をエクササイズで回避する方法論もあり、いわば環境面と肉体面という内外からのアプローチがあります。読者が取り入れることができる方法がいくつも紹介されていますので、可能なものを選択しながら取り入れていけるのも本書のよさだといえるでしょう。
それぞれの解説がバイオメカニクスに沿ったものですが、読み手の知識や興味で本書の読み方を変えてみるのも1つの方法だと思いました。また紹介しているエクササイズも簡単にオフィスでできるものや、器具を使用しても簡単に手に入りそうなものが多いので、実行することに対する負担はあまりなさそうです。
容易に方法論を与えられても、理解や納得のない中での継続は困難だと思います。「座りすぎ」の何が悪いのか、身体にどういう負担がかかるのか、その都度その都度読み返してみて実行するのが一番長続きしそうな気がします。
(辻田 浩志)
出版元:医道の日本社
(掲載日:2023-01-20)
タグ:座りすぎ
カテゴリ 運動実践
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