イチローUSA語録
デイヴィッド シールズ 永井 淳 戸田 裕之
昨年アメリカの主として新聞に載ったイチローに関する記事をイチローの言葉をメインに編集したもの。右頁は日本語で、左頁には英語の記事が収録されている。
こうして年間の記事を読むと、イチローが当初は軽く見られつつも、やがて驚異の活躍をしていく様が改めてわかる。
それ以上に、イチローの「言葉」が新鮮である。もちろん、これはイチロー自身の言葉というより通訳を介しての表現なのだが、イチローは時にとてもユーモラスであり、時に深遠でもある。
足の裏をマッサージするのに使っている器具の名前を聞かれたときの彼の答えは「木です(Wood.)」。質問の意味がよくわからないというより、どうもマスコミの執拗な質問をうまくはぐらかすのが得意のようである。
「彼はメディアの扱いに慣れているし、彼の発言のいくつかはむしろアメリカのファンのあいだで彼の人気を高めるのに役立っている」(ジム・アレンの解説より)
アレンの指摘で書き出しておきたいのは「イチローがメジャーリーグに惹かれた理由の一つに、大リーガーはプロフェッショナルと見なされていて、何者であるかではなく、何をするかで判断されるということがある」という一文。一流は何を語るかも問われる。イチローは疑いなく一流と改めて知ることができる。
新書判 206頁 2001年12月19日刊 660円+税
(月刊スポーツメディスン編集部)
出版元:集英社
(掲載日:2002-03-15)
タグ:野球 イチロー
カテゴリ 人生
CiNii Booksで検索:イチローUSA語録
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:イチローUSA語録
e-hon