自分ですぐできる! 筋膜筋肉ストレッチ療法
マーティー 松本
筋肉が原因となる痛みや不快感に対しては、身体を動かすことが有効だと思います。もちろん外傷性の場合や重篤な場合は禁忌事項となりますが、軽微な機能障害の場合は運動することで治まることがあります。血行が促進されるだけでも好転するでしょうが、さらに身体の仕組みを理解したうえで身体を動かせば、身体の様々な機能が働き、2倍3倍の効果も期待できます。
また何らかの痛みがある場合、自分でやるといっても不適切な方法で動かして悪化させるリスクもありますので、適切な方法があればそれに従うべきでしょう。
本書は徒手療法でも定評のある筋膜リリースやマッスルエナジーテクニックなどを用いた自己治療を紹介したものです。
近年注目されるようになった筋膜リリース。筋膜のひずみや癒着を解消することで筋肉に対するストレスを軽減するという概念です。業界では筋膜の連続性に着目し、筋膜のつながり(ライン)に対しアプローチする手法が広がっていますが、本書では症状が出ているところに対して直接アプローチする方法が紹介されています。
マッスルエナジーテクニックに関しても等尺性収縮後リラクセーションと相反抑制を利用した異なる2つの作用機序の手法がありますが、本書では基本ともいえる等尺性収縮後リラクセーションに関してのみ紹介されています。
できるだけ難しい要素を排除して誰でも簡単にできる方法を紹介されている点で評価できます。そしてどんな技法にもリスクはありますが、最後に「注意点」として医師の判断を仰ぐべき場合も書かれていますので、良心的だと感じました。
(辻田 浩志)
出版元:BABジャパン
(掲載日:2018-06-20)
タグ:マッスルエナジーテクニック 筋膜リリース
カテゴリ ボディーワーク
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「動き」のトリガーポイント
マーティー 松本
筋肉や関節の痛みといった、日常生活や運動に支障をきたす症状に悩まされている人々がいます。その症状を改善するため、もしくは症状はないがこれからも健康でいるために、中高年の方々が運動やスポーツを始めることも増えてきました。運動が健康に効果的な一番の理由は、運動することによって筋の機能が維持・改善されるためです。つまり、筋の機能を高く保つことで長く健康でいられるということです。しかし、一般の人より筋の機能が高いはずのプロスポーツ選手であっても、筋肉や関節の痛みに悩まされることがあります。そういった症状に悩まされるのはなぜなのでしょうか? 筋の機能のレベルが関係ないのであれば、症状を引き起こす原因は何なのでしょうか?
本書ではアメリカの研究文献をもとに、筋肉や関節の痛みなどの症状を引き起こす原因は、様々な動きの中で筋肉を酷使することによって筋肉内に形成された硬結(特定の部位に負担がかかり続けたことで形成される、短縮した筋節が集まったコブのような状態)にあるとし、それが引き金となって痛みを発生させるため「トリガーポイント」と呼称し、これを解消することが必要だとしています。また、「トリガーポイント」を解消しない限り、何度も同じ症状が再発する可能性が高く、身体に動きの制限がかかり続け、いずれは日常生活や運動だけでなく仕事にも影響が出てくるともしています。そして、「トリガーポイント」を解消するために必要なことを解剖学や生理学、圧迫や施術・マッサージの基本から説明しつつ、実際に解消するための方法について、図や写真を交えて詳細に述べています。
本書は同じ著者による『すぐわかる! すぐ使える! トリガーポイント療法』の続編的な存在として刊行されており、上記書籍ではカバーしきれなかった内容・症状を扱っているようです。上記の書籍を併せて読むことで、より理解が進むでしょう。
(濱野 光太)
出版元:BABジャパン
(掲載日:2019-08-16)
タグ:トリガーポイント
カテゴリ 身体
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