トップアスリートを育てる スポーツ東洋医学
丸山 彰貞
名前から見れば、スポーツにおける東洋医学の使い方というイメージがあるが、読み進めて行くと、東洋医学だけでなく、心理検査を東洋医学の治療効果を測定するものとして用いていることがわかる。とくに治療前、治療後で実施しているのが興味深い。メンタルトレーニングを大きなものと捉えて実施していることも、治療家を志しているものとして共感できるものである。
読み進めるにあたっては、とても読みやすく丁寧に書いてあるが、ほとんどが東洋医学の基礎がなくては難解な部分が多い。著者はスキー競技を中心に活動されているため、データのほとんどはそれらに関わるものであるが、もっとほかの競技の治療経過も見てみたい。
一文を紹介する。「スポーツをするとリラックスできるのに、なぜスポーツ選手にリラックスが必要なのか」と著者の恩師のスポーツ心理学の教授が、心理学の大家から問われたらこう答えたそうだ。「では落語家が落語をしていて悩むのはなぜでしょうか」。ここから著者の強い信念と、深い情熱、偏らない心が読み取れる。
(金子 大)
出版元:産学社
(掲載日:2012-10-13)
タグ:治療 メンタル
カテゴリ 東洋医学
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