中高年・疾病予防のための運動の実際
愛知医科大学運動療育センター 丹波 滋郎 野口 昌良
本書では循環器系、代謝系、運動器系の各疾患で代表的なものの病態生理とそれに基づく運動処方が紹介されている。運動器系については整形外科的なものと加齢によるものと項目を別にして紹介されている。
中高年とタイトルにあるが、小児科や産婦人科に関する内容も盛り込まれている。とくに医学的見地に基づく妊婦の運動に関する記述は、目にする機会も少ないため、非常に興味深い。
疾患治療のための運動処方だけではなく、一般的な運動処方においても、人体の基本的な機能を把握することは非常に大切なことになる。
そのうえで疾患治療の運動処方は、疾患の病態をきちんと理解しなければ、症状を悪化を引き起こしかねない。表面的な理解だけではなく、人体に対してさまざまな角度での深い理解が必要となってくる。
もちろん疾病からの回復を目指すことも大切だが、疾病を予防することも大切だ。しかし生活習慣病予防は明確な目的を設定しにくいため、疾患にかかりたいと思っている人はいないにもかかわらず、継続することが難しい。
いかに継続させるか、それは指導する側の知識や技量に大きく関わってくるのではないだろうか。
(澤野 博)
出版元:全日本病院出版会
(掲載日:2012-10-12)
タグ:高齢者 中高年 疾病予防
カテゴリ トレーニング
CiNii Booksで検索:中高年・疾病予防のための運動の実際
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:中高年・疾病予防のための運動の実際
e-hon