ツールへの道
今中 大介
世界的に有名な自転車のレースであるツールドフランスに、日本人で初めて参加した著者のヨーロッパでの生活を日記形式でまとめてある。日本にいては決してわからない世界で興味があるということもあるが、情景が目に浮かぶようでどんどん引き込まれる。
自転車競技のロード種目は一見すると個人種目のようであるが、実は団体種目でもある。アシストと呼ばれる立場の競技者がサポートカーから食料などの補給をチームメンバーに行ったり、アタックをかけたほかのチームのメンバーについていったり、逆にアタックをかけられないように速いスピードで走行し、集団をコントロールしたり、さまざまなことを行いながら、チームのエースを勝たせるようにする。
海外のある地域にたった一人の日本人といて生活をしてゆくことは非常に大変だ。もちろん周りの人は外国人ということで非常によくしてくれるので全く問題はないのだが、ふとした瞬間に寂しく感じることもある。その寂しさは、日本人と会ったときに妙にうれしく感じている自分に気がつくことで、実は寂しかったのだということを再認識する。しかしその寂しさがあることをわかった上で、日本を飛び出しストイックに世界基準の中で戦うことが必要ではないであろうか。科学的トレーニングという言葉に踊らされることなく、競技者として何を求めるのか。勝利に対する想いを再認識させられた。
(澤野 博)
出版元:未知谷
(掲載日:2013-03-22)
タグ:自転車
カテゴリ スポーツライティング
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今中大介 ツールへの道
今中 大介
日本のロードレーサーの先駆者である今中氏の、長年の“経験”が敷き詰まった「プロとしての日誌」が本になった。トレーニング日誌の様相を呈していながらも本場イタリアでの喜怒哀楽、プロとして生き抜くための秘話など、読み物としても味わい深く、競技を跨いでも楽しめるようになっている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:未知谷
(掲載日:2000-09-10)
タグ:自転車
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