いちばんやさしい 痛みの治療がわかる本
伊藤 和憲
人はどんな痛みでも「痛い」という同じ表現をすることしかできない。「痛み」というものに対して徹底してフォーカスし、分類およびその対処について細かに記している本書。痛みの原因を特定する方法論はもちろんだが、それ以前の段階である、「感覚的な痛み」か「情動的な痛み」なのか、どのような手順で痛みを紐解いていけばいいのか、他ではあまり語られることのない判別方法も随所にちりばめられている。
メインの痛みの特定方法に関しても、疾患名と問診内容、検査方法などが表にまとめられており、これ一冊あれば治療の入り口においての不安がなくなるといっても過言ではないだろう。
基本的には治療家向けの内容が主になるが、生活習慣の見直しをはじめとした患者のセルフケアに対しても言及されており、治療家だけでなく全ての方に手に取っていただきたい一冊だ。
(島原 隼人)
出版元:医道の日本社
(掲載日:2017-04-01)
タグ:痛み 治療
カテゴリ 医学
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いちばんやさしい 痛みの治療がわかる本
伊藤 和憲
鍼灸治療院にはさまざまな「痛み」を抱えた人が訪れる。ある意味、患者の数だけ種類のある「痛み」をどう鑑別し、どう治療するかをまとめた。診察・治療の手順を7stepとし、2章では問診および理学検査を効率よく活用する手法を提示。3章では痛みを引き起こす疾患を部位ごとに 解説し、4章にて末梢神経レベル・脊髄レベル・脳レベルに分けてアプローチを考えていく。セルフケアについて取り上げる5章では、エクササイズなどの紹介にとどまらず、患者の感情や環境にも寄り添っており、そういったことも含めた「やさしい治療」とは何かを改めて考えさせられる。初学者はもちろん、すでに臨床にて活躍する治療家も、経験を体系化して整理するのに役立つ一冊だ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:医道の日本社
(掲載日:2017-03-10)
タグ:痛み 治療
カテゴリ スポーツ医科学
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患者とできるフォームローラーパーソナルセラピー
福辻 鋭記 市川 繁之 伊藤 和憲 石原 新菜 長谷川 洋介 杉山 ちなみ
物置でほこりをかぶっていたストレッチポールを引っ張り出してきて、本書を読みながら実践しました。我が家の物置にはバランスボールやケトルベルなどのトレーニング器具がいくつかあるのですが、そのときの興味だけで買ってきて適当にやって飽きたら日の目を見ずにほこりをかぶる、というパターンがどうも多いのです。
フォームローラーにもさまざまな目的があり、そのメソッドも多様であることを知りました。本書ではフォームローラーという商品名のものが使用されています。三種類の硬さがあり、目的や方法に応じて使い分けられています。
デスクワークでなまった身体をよみがえらせる。高齢者向けのエクササイズ。鍼治療の効果を高めるトリガーポイント療法。東洋医学の見地から見た血流改善のトリートメント。マインドフルネスの瞑想との組み合わせで精神に作用させるムーブメント。スポーツ医学に基づいた美しい姿勢をつくるトレーニング。実に多種多様の目的とそれぞれの方法論が、それぞれのジャンルの専門家によって解説されています。だから単にストレッチを目的とするエクササイズとはかなり違いがあります。
1つずつ実践してみると、6つのコンテンツの目的が見えてきます。ただ買ってきたからなんとなくやっていたときと身体の中で感じるものの違いが明白です。きっとほかのトレーニング器具でも同じなんでしょうが、目的をしっかり持つことの重要性を改めて感じた一冊です。器具に新たな命が吹き込まれたような気がしました。
(辻田 浩志)
出版元:医道の日本社
(掲載日:2018-05-26)
タグ:運動指導 トリガーポイント 姿勢 マインドフルネス
カテゴリ 運動実践
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図解スポーツ傷害とリハビリ治療のためのテーピング技術
Anne Keil アン・ケイル 伊藤 和憲
テーピングがスポーツ医療の現場でもっと活用されるよう、コーチや選手にもその原理を知ってもらおうと誕生したという本書。訳も伝わりやすいよう工夫されている。足部など各部位の解剖を図を用いて解説することから始まっており、なぜ効果があるのかはもちろん、テープを巻く手順もテクニックに留まらず本質から理解できる。予防だけでなく痛みの軽減など治療効果にも着目しており、理学療法士やアスレティックトレーナーにとっては知識の再確認とともに再発見にもつながる内容と言える。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:緑書房
(掲載日:2016-12-10)
タグ:テーピング
カテゴリ テーピング
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