こころだって、からだです
加藤 忠史
「精神保健」「精神医学」に相当する内容のポイントを絞り、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症、性同一性障害、ADHD(注意欠陥多動障害)、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、摂食障害など症例を交えて解説している。
本書では“こころの病気”という言葉が便宜上使われているが、「こころが病気になってるんじゃない。どんな臓器も病気になる。脳に病気が起きると、こころの具合が悪く感じられる」と筆者は述べ、「病気は身体がなるものである」と明記している。こころの病気となると「がんばれ」の一言で終わってしまいがちである。からだの病気として精神疾患を認識する必要があると言える。
筆者の私見や、まだ多くの研究によって確認されていない新しい研究成果などが取り上げられているコラムは示唆に富んでおり、13章「こころの悩み」を「解決すべき方法」に変える方法、にある専門家が用いるPOS(Problem Oriented System)での治療計画の立て方は、抱える悩みを整理するうえで参考になるだろう。
2006年1月20日刊
(長谷川 智憲)
出版元:日本評論社
(掲載日:2012-10-10)
タグ:メンタル 心 悩み 身体
カテゴリ 医学
CiNii Booksで検索:こころだって、からだです
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:こころだって、からだです
e-hon