運動とスポーツの生理学
北川 薫
体育・スポーツ・健康科学テキストブックシリーズと題されたその第1巻。
この分野では著名な市村氏という編集者が自ら興した出版社の最初の書でもある。本文は97頁で、比較的「薄い」本であるが、この薄さが逆によい。
運動生理学の本は「3頁読むうちに眠くなる」と言った人がいるが、大事な分野を面白く、要点をわかりやすく解説する本は稀であるのも事実。
運動生理学と解剖・機能解剖は不可欠であるのに、入門者用の好書が少ない。その意味で、この本はコンパクトに基礎がまとめられていて好感が寄せられる。どんな本も読まれなければ意味がない。少しずつでも、また必要に応じて読むため、そばに置いておきたい本である。
(月刊スポーツメディスン編集部)
出版元:市村出版
(掲載日:2001-11-24)
タグ:運動生理学 入門
カテゴリ 運動生理学
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健康運動プログラムの基礎
北川 薫
健康運動を科学的に考えるうえでの一助となるこの本は、中京大学大学院研究科運動生理学研究室にて研究をまとめた研究者が博士論文を基礎にして執筆したものを、同研究室の北川教授が編集している。副題は『陸上運動と水中運動からの科学的アプローチ』。北川教授が執筆した第1章「健康と運動」に始まり、第2章以下、陸上運動と水中運動の2部構成によってまとめられている。
本書では、「健康とは身体的、精神的および社会的に完全に良好であって、単に疾病や虚弱ではないというだけではない」という1946年に作成されたWHOの定義に触れ、運動を身体的側面からだけでなく、精神的、社会的側面を含めて考えるべきだと主張する。加えて、ストレッチ体操やマラソンなどが社会一般ではその特性が理解されずに混同されている点を挙げ、体力への理解も健康づくりには不可欠であると記している。
運動をするうえで、まずは個々人が必要とする体力、理想とする健康をしっかり把握する必要がある。本書が示す科学的な根拠は、身体、精神の両面を向上させる健康づくりに役立つものとなるだろう。
2005年6月13日刊
(長谷川 智憲)
出版元:市村出版
(掲載日:2012-10-09)
タグ:健康 運動処方 生理学
カテゴリ スポーツ医科学
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運動とスポーツの生理学
北川 薫
「人の動きを科学的に解明するのは極めて難しい」と述べる筆者。
筆者は人の動きを「代謝系」と「脳・神経系」と大きく2つに分けているが、「脳・神経系」に対して目に見えない・具体的に数値化できない難しさを述べており、スポーツ指導者が科学に物足りなさを感じる1つの要因だと指摘する。
そのためこの分野をよりよく理解するために、解剖学、生物学、物理学など、多くの科学分野の基礎を学ぶ必要性を説いており、本書でもさまざまな視点からアプローチし科学的根拠を導き出している。そうすることがスポーツ科学の更なる発展につながると述べている。
研究者だけじゃなく現場で指導している者にとっても、今までと違った視点で運動・スポーツ生理学を見ることができ、現場での想像力を膨らませてくれるヒントが必ず見つかるであろう一冊である。
(磯谷 貴之)
出版元:市村出版
(掲載日:2012-10-16)
タグ:生理学
カテゴリ スポーツ医科学
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