ボディ・ナビゲーション 書いて覚える身体解剖ノート
Andrew Biel 医道の日本社編集部
本書は2005年9月に発行された『ボディ・ナビゲーション――触ってわかる身体解剖』(医道の日本社、3,800円+税)で学んだ知識をより確実に理解するためにと編集されたのがこの『ボディ・ナビゲーション 書いて覚える身体解剖ノート』である。テキストとなる『ボディ・ナビゲーション――触ってわかる身体解剖』では、読者を旅人にたとえ、身体解剖の理解の道筋を「トレイル標識(道標)」になぞらえ、筋や骨に触診しながら身体の構造を理解していくという内容であった。
今回の『ボディ・ナビゲーション 書いて覚える身体解剖ノート』では、解剖イラストを450点以上掲載し、実際に筋や骨の名称などを書き込み、さらに解剖イラストに色を塗りながら、身体の構造をより確実に理解できるようになっている。
さらに、筋の「起始部や停止部の組み合わせ」や「短縮か、伸張か?」といった質問が容赦なく投げかけられる。「ボディ・ナビゲーション」を読んで理解したと思っている読者のみなさん、このノートで実際にどれだけ理解できているか、今一度、力だめしをしてみてはいかが?
(田口 久美子)
出版元:医道の日本社
(掲載日:2012-10-13)
タグ:解剖
カテゴリ 医学
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タイ式マッサージ タイ式伝統医療の理論とテクニック
Richard Gold 医道の日本社編集部
本書はタイの伝統医学のうち、身体的療法(ヌアッド・ボラーン)を取り上げている。
タイ式マッサージの特徴は、手技に足・膝・肘・前腕など術者自らの体の各部位を使う、マッサージオイルなどは皮膚に塗らない、ベッドではなく、床や低い台の上で行う、時間をかけてゆっくりと施術する、身体の治療を通じて肉体・精神・魂のバランスと調和をもたらす、などが挙げられる。
Section 1 ではタイ式マッサージの歴史や施術法に触れ、Section 2 では各部位・各体位・各手技を写真と禁忌の説明付きで詳しく解説し、治療への適用を学ぶことができる。Section 1 は割かれているページ数こそ少ないが、タイ伝統医学による患者へのアプローチ法やその思想について知ることができる。仏教の影響を受けたタイ式マッサージでは「愛に満ちた親切心」「慈悲」「人の身になって感じる喜び」「平静」の4つの神聖な心の境地を表現し、マッサージテクニックの多くは、瞑想やヨーガの実践を容易にするために開発されたという。
Section 2 は実際の手技やストレッチについて触れているが、解剖学などの説明はほとんどないので、全くの初学者が本書のみでマッサージをマスターすることは難しいと思われる。しかし、中級者以上が副読本としての位置づけで、施術の幅を拡げるためには大いに役立つだろう。
(西澤 隆)
出版元:医道の日本社
(掲載日:2013-10-25)
タグ:マッサージ タイ式マッサージ マッサージ 伝統医療
カテゴリ スポーツ医学
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ケリー・スターレット式 「座りすぎ」ケア完全マニュアル 姿勢・バイオメカニクス・メンテナンスで健康を守る
ケリー・スターレット ジュリエット・スターレット グレン・コードーザ 医道の日本社編集部
私は手技療法の仕事をしていますが、腰痛を訴えるクライアントの圧倒的多数が立ち仕事の方か、事務職やドライバーのように座る姿勢でのお仕事で、スポーツ選手のように激しい動きをなさる方よりも一定の姿勢を長時間こなす人の方が腰痛になりやすいという現状を見ています。知らない方には座っていると楽なように見えるようですが、かかる荷重負担のバランスの悪さや姿勢の特殊性からも、長時間の座位は様々な影響を与えます。
本書は「座りすぎ」の問題点を分析的に指摘した上で、身体にかかる負担を軽減するための方法論を様々な角度から解説しています。
まず座位の問題点を細かく指摘していますが、現実的に座ることは日常よくありますので、座ることそのものを否定することはできません。そういった職場環境でちょっとした工夫を加え負担を軽減できるようで、現実に沿った形での提言があるのはありがたいです。さらに身体の問題点をエクササイズで回避する方法論もあり、いわば環境面と肉体面という内外からのアプローチがあります。読者が取り入れることができる方法がいくつも紹介されていますので、可能なものを選択しながら取り入れていけるのも本書のよさだといえるでしょう。
それぞれの解説がバイオメカニクスに沿ったものですが、読み手の知識や興味で本書の読み方を変えてみるのも1つの方法だと思いました。また紹介しているエクササイズも簡単にオフィスでできるものや、器具を使用しても簡単に手に入りそうなものが多いので、実行することに対する負担はあまりなさそうです。
容易に方法論を与えられても、理解や納得のない中での継続は困難だと思います。「座りすぎ」の何が悪いのか、身体にどういう負担がかかるのか、その都度その都度読み返してみて実行するのが一番長続きしそうな気がします。
(辻田 浩志)
出版元:医道の日本社
(掲載日:2023-01-20)
タグ:座りすぎ
カテゴリ 運動実践
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テーピング療法最前線
医道の日本社編集部
1970年代にアメリカから日本に渡ってきたアスレティックテーピングは、故・山本“KID”徳郁の父、山本郁榮(やまもといくえい)氏がアメリカで学び日本に持ち込んだとされている(山本郁榮、野田哲由 、平沼憲治『スポーツ外傷障害からみたテーピングの実技と理論』)。
今や医療・スポーツ現場に広く普及したテーピング。テーピングの巻き方を解説した書籍も多く出版され、高校生や部活のマネージャーでも巻き方を知っている。我々「専門家」に求められるテーピングの技術はより高度になっていると言えよう。
本書『テーピング療法最前線』ではスポーツ、臨床現場で使われているテーピングの種類や、はさみなどテーピングを扱うためのツールなど基本事項から、キネシオテーピング、スパイラルテーピングなどのより専門的な技術まで詳しく解説されている。また、オーストラリアなど、海外のセラピストによる症例への応用や、徒手療法、鍼灸、物理療法との組み合わせについての章もあり、異なる文化の視点からのテーピング技術を学ぶこともできる。
テーピングは関節の安定化だけでなく、皮膚の柔軟性の向上、神経系を刺激して運動パフォーマンスの向上と治癒の促進まで多様な応用がなされている。
あなたが治療家でもトレーナーでも、「専門家」として現場に立つのであれば、ぜひ読んでいただきたい。
(川浪 洋平)
出版元:医道の日本社
(掲載日:2024-04-19)
タグ:テーピング
カテゴリ アスレティックトレーニング
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