ナンバの身体論
矢野 龍彦 金田 伸夫 長谷川 智 古谷 一郎
ナンバという言葉から「古武術」を想像するのは容易であろう。しかしナンバとバスケットボールとなると少し想像しにくいかもしれない。
この本は、桐朋高校バスケットボール部のコーチらが武術研究家の甲野善紀氏の古武術の身体運用法をヒントに、ナンバを「難場」と解釈し、難場を切り抜けるための身体の動かし方を模索した内容である。ナンバという言葉の由来から、ナンバの動き、練習などがわかりやすく書かれている。そして実際に著者らはこの考え方をバスケットボールというスポーツの中に落とし込み、大会の成績をあげてしまったのである。
難場を乗り切るにはやはり無駄を省く必要がある。つまり効率よく動くには、そのための動きを身体で獲得していく、自分の“身体で感じる”ということが大切だということも印象に残る。
(大槻 清馨)
出版元:光文社
(掲載日:2012-02-15)
タグ:古武術 バスケットボール
カテゴリ トレーニング
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ナンバの身体論
矢野 龍彦 金田 伸夫 長谷川 智 古谷 一郎
光文社から発行された『ナンバ走り』(矢野ら著)の続編にあたり、前著で紹介されたナンバ的な動きの解説書となる本。副題は「身体が喜ぶ動きを探求する」。この身体論は、ナンバを「難場」と解釈し、身体的に無理のない、より素早い、より自然な動きによって困難なシチュエーションを切り開こうという考え方で、武術研究家の甲野善紀氏が提唱する古武術の身体運用法がもとになっている。
桐朋高校バスケットボール部のコーチを務める著者4氏が言う「ナンバ」は、捻る、うねる、踏ん張るといった動作をできるだけ避けた、広く普及している西洋式の運動とは正反対の動きを指している。第3章「ナンバ的動きの練習法」、第4章「ナンバ歩き、ナンバ走りの練習法」では、写真つきで具体的な練習法が紹介されており、第6章「桐朋バスケットボール部の取り組み」では現場で実践されたナンバ的な動きの効果と課題が金田氏によって語られている。
あとがきには、「否定的な意味であれ、肯定的な意味であれ、すべての人にとって考えるヒントになれば幸いである」とある。普段と異なる発想でからだを動かし、本書でよく使われている「身体との対話」を行うことによって、新しい発見が得られるかもしれない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:光文社
(掲載日:2012-10-08)
タグ:ナンバ バスケットボール 古武術
カテゴリ 身体
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