交渉力
団 野村
著者は、あまり知られていないがヤクルトスワローズに在籍していたことがある。その後渡米し、マック鈴木選手と最初の代理人契約を結んだ。しかしその名を一躍広めたのは、なんと言っても、95年野茂英雄投手を近鉄からドジャーズ入団を支援したこと。その後も伊良部秀輝、吉井理人投手などの日本人メジャーリーガー誕生に貢献した。
著者は、自分では交渉は下手だという。しかし、好きだという。交渉とは何か。著者は「納得」だと考えている。一方の要求がすべて通るというケースはまれ、しかし双方が納得できることは十分にあり得る。これが著者の言う「交渉」の要諦。「妥協」では、「しかたがない」という印象になる。そうではなく、互いがハッピーになるよう、納得できるようもっていく。そこにはクリエイティビティと駆け引きをゲームのように楽しむ感覚が必要だとも言う。
著者が挙げる交渉でのポイントは、ほかに、「最悪の状況を想定し、複数のプランを用意しておくこと」「市場を知ること」そして「ルールを熟知し、相手の弱いところを突く」など。 交渉は、ビジネス全般はもとより、何かをしようとしたとき、必ず生じることである。プロの代理人の世界は参考になる。
2007年1月10日刊
(清家 輝文)
出版元:角川書店
(掲載日:2012-10-11)
タグ:代理人 交渉
カテゴリ その他
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