MRIで理解するスポーツ外傷・障害
安達 伸生
本書を紹介するにあたり、序文から抜粋させていただきます。「本書はスポーツ診療に携わる医師やメディカルスタッフを対象に、スポーツによる運動器外傷・障害のMRI診断・読影ポイントを解説したものです。基本的な撮影条件、撮像方向、正常組織像の見え方を示したうえで、疾患・病態を解説し、さらにはMRIが必要な状況・タイミング・撮像方法と肢位、読影のポイント・注意点、鑑別診断、MRIの意義と限界を解説した」ものだと書かれています。
実際に読んでみるとMRIを使われる人にとってわかりやすい解説であり、なおかつ注意すべきポイントがしっかりと記されているようです。MRIに縁のない私でも必要なポイントが押さえられているだろうと感じることができます。
ただ本書の対象外の立場である私にとっても非常に興味深く読めたのは、よく耳にするスポーツ障害が具体的にどこがどうなっているのかということをMRIの画像を見ることでより理解が深まったからにほかなりません。さらには治療経過の情報に触れられる機会はあまりありませんので、治癒までのプロセスがうっすらとわかればその後のリハビリともつながりそうな感じがしました。
わからないところは飛ばして読めば、今まで触れることのなかった知識は得られそうです。まっとうな読み方ではありませんが、医師やメディカルスタッフでなくとも覚えておけば役に立ちそうな情報は満載です。正直言ってちょっと背伸びして読んだわけですが、興味深い一冊であることは間違いありません。
(辻田 浩志)
出版元:南江堂
(掲載日:2023-08-04)
タグ:MRI
カテゴリ スポーツ医学
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