レアルマドリード モウリーニョの戦術分析 ディフェンス編
アタナシアス テルジス 小澤 一郎
ジョゼ・モウリーニョはサッカーの指導者という枠を越え「哲学者」として注目されることが多い。注目されるがゆえにさまざまな問題を引き起こすこともあるが、彼の人間としての魅力が人々を惹きつけている。
本書はレアル・マドリード時代のジョゼ・モウリーニョの戦術を紐解いた解説書である。筆者のアタナシアス・テルジス自身がサッカーの指導者であることもあり、モウリーニョ率いるレアル・マドリードのスカウティングレポート的な内容となっている。サッカーの4つの局面、すなわちディフェンスの局面、オフェンスからディフェンスへのトランジションの局面、オフェンスの局面、ディフェンスからオフェンスのトランジションの局面のうち、ディフェンスに関わる局面の中でさらに細かく分類したケースについて各選手がどのようなプレイをしているかについて細かく解説されている。
モウリーニョの戦術の土台となる哲学には触れられていないものの、純粋にどのようなプレイが「選択」されているのかを知ることができる。サッカーだけでなく他競技の指導者もスカウティングレポートを作成するためのチェック項目の抽出や、資料作成の際に参考となるだろう。
(打谷 昌紀)
出版元:スタジオタッククリエイティブ
(掲載日:2014-10-27)
タグ:サッカー 戦術 スカウティングレポート
カテゴリ 指導
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モウリーニョの戦術分析 オフェンス編
アタナシアス・テルジス 小澤 一郎
本書は、名門レアルマドリードの監督を2010〜2013年の3年間務めた、モウリーニョ氏の戦術を分析したものである。ヨーロッパのサッカークラブの監督は、成績不振だと頻繁に交代させられることが有名で、レアルマドリードの場合、1982年以降はほぼ毎年のように監督が変わっている。その中でもモウリーニョ氏は3年間も同チームの監督を務めており、いかに優れたサッカー指導者であったかを示している。
内容は数ページで選手の長所と短所を解説し、残りの9割以上のページを戦術の分析に使っている。紹介されている戦術の数は膨大な量で、偶然生じたであろう戦術をピックアップしているのではなく、少なくとも試合の中で10回以上確認できたものをピックアップしている。したがって、掲載されている戦術は全て意図されたものであり、日々の練習の中でトレーニングされたものであると考えられる。
読み終えた印象は、やはり意図をもって相手の体勢を崩して、ゴールを奪うための戦術であること。選手がボールを保持している、保持していないにかかわらず、複数のプランを打ち出すことができる攻撃態勢を崩さないように設計されている。具体的には、試合を観ていると、ある選手の運動量は多いが、ある選手はサボっていて運動量が多くないということがあるが、モウリーニョ氏の戦術では、サボれないように設計されているのである。
1つ1つ確認しながらトレーニングをしていった選手やスタッフの労力、モウリーニョ氏がいかにうまく選手対監督間のコミュニケーションをしていったのかという点がイメージとして浮かび上がる。
(平松 勇輝)
出版元:スタジオタッククリエイティブ
(掲載日:2014-12-01)
タグ:サッカー 戦術
カテゴリ 指導
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レアルマドリード モウリーニョの戦術分析
アタナシアス テルジス 小澤 一郎
グアルディオラ率いるFCバルセロナの戦術分析を行った前著に続く、トップチームの戦術の解剖本だ。オフェンス編とディフェンス編に分かれ、どちらも大ボリュームとなっている。
1シーズン分をビデオ分析することによって、実際に相手選手のいる状態で行ったプレーを、流れとして解説しているだけでも貴重なものだ。ビルドアップ、サイドチェンジ、トランジション、セットプレーと内容も多岐にわたる。
それを取り入れるにはどうすべきかを意識した視点で書かれているのが、指導者でもある著者ならではだろう。辞書的な活用ができそうだ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:スタジオタッククリエイティブ
(掲載日:2013-12-10)
タグ:サッカー 戦術
カテゴリ 指導
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