なぜ皇居ランナーの大半は年収700万以上なのか
山口 拓朗
本書で紹介されている「RUNNET」というポータルサイトの調査によれば、男性皇居ランナーの54%がタイトルのように年収700万円以上だったという。このデータからスタートし、走る練習がいかに仕事の段取りに応用できるか、また土台となる身体のメンテナンスに役立つかを解説している。引用されている経営者たちの言葉を見ると、彼らは運動の効能に気づいている。運動の中でもっとも低コストに、気軽に行えるのがランニングというわけだ。
一部の経営者に留まらず、東京マラソンなどで走ることに興味を持った社会人は、都内では珍しく信号に止められることなく5km走れるスポットである皇居外周に集まった。著者自身もランニングを始め、体調がよくなり、それによって仕事や人間関係も好転したそうだ。読者に「自分にもできるかも」と思わせるような説得力がある。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:KADOKAWA
(掲載日:2014-09-10)
タグ:ランニング
カテゴリ その他
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なぜ皇居ランナーの大半は年収700万以上なのか
山口 拓朗
この本を読み進めている途中、私は皇居でランニングがしたいと思い、実際に走ってきている。本書の中で『本書を閉じた直後に、「ランニングって面白そう」「ちょっと走ってみようかな」と思ったなら、本書の目的は達成したといえるだろう』と述べている。筆者のこの言葉を読む前から、私はまんまとランニングに行っている。目的は達成されたのだ。
私がランニングに駆り出された理由は、皇居ランナーならご存知、花の輪プレートを見るためだ。皇居外周の歩道には「花の輪プレート」と言われる47都道府県の花、千代田区の花、花の輪記念のマークがプレートになり100mごとに50枚、皇居外周の全長5kmにわたり埋め込まれている。私も皇居を何度か走ったことがあったが、実はこのプレートの存在を知らなかった。だったら走って確認だと思い、行動に移したのだ。
筆者の本当の思惑とは違うかもしれないが、この本をきっかけにランニングに行ったことは間違いない。私にとってはそれがランニングのモチベーションになったのであって、他の方が読んだときには他にきっかけが見つかるかもしれない。なぜならば、本書には他にも走りに行きたくなるような情報が詰まっているからだ。
まずタイトルにもあるようになぜ皇居ランナーになぜ高収入者が多いかを検証している。皇居で走ることの魅力がよく分かるので、皇居近くに住んでいる方にはそそられる情報だ。そして、皇居ランナーでなくてもランニングをすることで得られるビジネス能力や、脳・健康への効果、やりがいを丁寧に分かりやすい言葉で説明している。中でも印象に残っているのはランニングで養われるビジネス能力で「逆境を克服する力」が身につくと説明されている部分だ。
ランナーの力発揮の場としてマラソン大会がある。もちろん自分のペースで走るのだが、フルマラソンであれば42.195kmをより短い時間で完走したいと思うのが出場者の本音だ。身体が重く、足も痛む、苦しさや辛さが何度訪れても、なんとかしてそれを乗り越えようとする。マラソン中に自分に都合のいいことなんてほぼほぼない。それでも諦めずにゴールに向かう。折れない心が身につくのだ。
誰もが想像できるようにマラソンは苦しいものでもある。それでもランナーは走りたがる。ランニングを友人に勧める。それはランナーがランニングのよさを知っているからだ。苦しさの先の楽しさを味わったことがあるからだ。ランニングに挑戦しなければ、それを知ることはできないのであろう。ランニングの価値とは一体どんなものなのか。この一冊で頭で理解する。そしてランニングをして身体で感じていただきたい。
最後に、運動指導者として読んだ私としては、ランニングも含め運動をより多くの方に楽しんで実践していただくために、どう伝えたら分かりやすいのか本書で学ばせていただいた。本書との出会いで、ランニングや運動を始める方が増えることを、私も願う。
(橋本 紘希)
出版元:メディアファクトリー
(掲載日:2016-06-11)
タグ:ランニング マラソン
カテゴリ 運動実践
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