背番号三桁 「僕達も胴上げに参加していいんですか?」
矢崎 良一 岩田 卓士 玉森 正人 中田 潤 池田 浩明 伊村 雅央
2003年、阪神タイガースが18年ぶりのリーグ優勝を果たす。そこには、表舞台には出てこない人々の数だけドラマがある。そんな「背番号三桁」の男たちの物語である。
なぜ、彼らは表舞台に出られなくても、もがき苦しむのか。ある者は、バッティングピッチャーとして来る日も来る日も、選手のために肩を酷使する。もちろん、根底には野球が好きだということもあるだろう。しかし、もっと別の何かが彼らを奮い立たせているに違いない。
作家の村上龍が、こんなことを言っている。「私たちは、他者から幸福を得るより、他者の幸福に貢献するほうが、喜びは大きいのではないか」と。もしかしたら、これが彼らのもがき苦しむ理由のひとつかもしれない。
多くの人は、人生では負けることの方が多い。おそらく99%は負け続ける人生なのだ。しかし、負け続ける人生には、もしかしたら勝ちしか知らない人の人生より、大きなものが得られるのかも知れない。
そう、「背番号三桁」の人生も悪くない。
(森下 茂)
出版元:竹書房
(掲載日:2013-05-23)
タグ:裏方
カテゴリ スポーツライティング
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