科学コミュニケーション 理科の〈考え方〉をひらく
岸田 一隆
科学的な知識を身につけることが容易な人と、そうでない人がいる。そして、理系と文系の間には深い溝があるというのである。筆者は、物理学がなぜ難しいのかについて、日常感覚でとらえることが難しいほど高度に抽象化されているためであると言う。そして科学は蓄積によって進んでいくために、前提となる知識が膨大になってしまっていることもある。ここに科学コミュニケーションが求められる理由が浮かび上がってくる。本書では、共感・共有の科学コミュニケーションを実現するために対人コミュニケーションの力とエピソードの力を総動員して伝えることの大切さと、その方法について丁寧に言葉を重ねている。
ここで指摘されていることはスポーツ医科学の分野においても当てはまる部分がある。むしろ筆者としてはサッカーの指導に学ぶところがあると述べている。知っている側からの押し付けにならず、知りたい側が自発的に知識を得るためにはどうすればよいかという模索は続くようだ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:平凡社
(掲載日:2011-11-10)
タグ:コミュニケーション 指導
カテゴリ その他
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