エースナンバーをつける科学的練習法
川村 卓 島田 一志
ボールを速く投げるためにはどうすればいいか。本書で述べられている通り、左右の肩甲骨をくっつける(胸を張る)、体幹の回転の重要性、股関節のタメなどは、速いボールを投げる上で不可欠な要素であるだろう。
また、本書では、「身体のつくり、感覚は人それぞれなので、その人の最適なピッチングフォームはその人だけのものだ」としながら、合理的なピッチング動作を科学的に分析してみると、気をつけるべきチェックポイントと、神経質に考える必要のない部分に分けられると言っている。今まで常識だとされていた指導が、実は成長の妨げになっていたというケースが野球界にはあると聞くが、本書では経験則だけでなく、科学的な裏づけがあってのものなので、安心して参考にできる内容になっているといえるだろう。
最終章では、練習ドリルを図解も載せてわかりやすく紹介しているのだが、「肘を上げる練習」や「アーム投げを直す方法」など、まだフォームが固まらない子供に是非ともやって欲しい練習が並べてある。本書では、子供に指導する上で大切なことについて広く言及している。特に共感できたのは、子供のうちから色々な遊びやスポーツを経験すること、自分が行ったプレーを自分の言葉にする練習をすることの大切さについてであった。
(水田 陽)
出版元:恒文社
(掲載日:2012-02-15)
タグ:野球 指導 成長
カテゴリ 運動実践
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