ケトルベルトレーニング 入門からギレヴォイスポーツ(競技)まで
後藤 俊一
タイトルだけでこの本は理解することはできない。
トレーニングツールの一つである「ケトルベル」を使ったトレーニングを単純に紹介していくだけの本だろうかと勘違いした私自身を恥じるほど、しっかりとトレーニングやストレッチなどについて書かれた一冊である。
書評を読んでいただいている方に、ファンクショナルムーブメントスクリーン(FMS)の勉強をされている方は少なくないかと思うが、ケトルベルを利用したFMSのマニュアルとでも言うべきかと思うほど、コレクティブエクササイズについてもしっかりと書かれている。中でも57ページのゴブレットスクワットについてのコレクティブエクササイズが非常に参考になった。
スナッチやダブルクリーンについてもトレーニング方法など詳細に書かれており、イラストがついていることで非常にわかりやすい。有酸素運動という位置づけ、と書かれていることには少し驚かされ、中身を読むことで納得させられた。
全体的には写真が一枚もないことに驚く人もいるかもしれないが、個人的にはイラストで描かれていることが非常に読みやすくさせてくれた。写真はカラフルで見やすいところもあるが、イラストであればより鮮明に細かい動作の分析ができる。写真で見たい場面とはまた違う一面を見せてくれる。
長々となったが、ケトルベルを利用したトレーニングは単純なウェイトをケトルベルを使っただけで済ませるのはもったいなく感じさせられる、そんな一冊であった。導入を考えているトレーナーはもちろん、自主トレに入れたい選手たちにも読んでほしいケトルベルマニュアルとでも呼ぶべきだと感じられた。
(笠原 遼平)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2018-01-16)
タグ:ケトルベル
カテゴリ トレーニング
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