実践コーチ教本 コーチのためのトレーニングの科学 スポーツ医学 スポーツ人間学
松井 秀治 黒田 善雄 勝部 篤美 粂野 豊 日本体育協会
実践コーチ教本
1 コーチのためのトレーニングの科学(松井秀治編)
2 コーチのためのスポーツ医学(黒田善雄編)
3 コーチのためのスポーツ人間学(勝部篤美・粂野豊編)
コーチに必要な知識を全3巻にまとめたもの。最近アメリカではコーチにも資格制度が必要ではないかとの論議がなされているが、若年層の指導に当たる人が、スポーツ医科学の基礎知識を身につけていることは当然要求されることである。トレーナー制度の確立しているアメリカとはいえ、トレーナーやドクターがついているチームは、全体から見ればまだまだほんの一握りである。中学、高校ではトレーナーがついているほうが珍しいといってよいだろう。
その点、日本も同じである。それだけに指導者が負っている責任は大きい。近視眼的勝利至上主義ではなく、長く一生の問題として、スポーツを指導する立場の人にはとくに読んでいただきたい書である。
参考文献も豊富に掲載されており、その分野でさらに知識を深めたいとき便利である。忙しくてとても読んでいる暇がないという人も、座右の書として、必要時に取り出して読めるよう使いやすく編集されている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:大修館書店
(掲載日:1981-12-10)
タグ:スポーツ医科学
カテゴリ 指導
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女子スポーツ・ハンドブック
日本体育協会
「女性の時代」とか「女子どもの時代」といわれる。男女雇用機会均等法なるものも制定された。逆にいえば、男、大人、それを合わせた「大人の男」の影は薄い。あるいは、「大人の男」であることは難しい、または珍しい。男である書評子の私論がかなり露骨かもしれない。が、つまりは、女性のことを考える場合、それは逆に男性(どうもこの表現には抵抗がある。どうして男、女といった簡潔な表現が野卑なイメージを帯びるようになったのだろうか)のことも考えることになるということだ。話がそれたが、女性がテーマになりつつあるのはスポーツの世界も例外ではない。女性とスポーツに関する雑誌の特集はこれまでに何度も試みられてきたし、シンポジウムのテーマになったこともある。だが、わかりやすいガイド・ブックの類では、日本ではあまりみられなかったのが現実である。本書『女子スポーツ・ハンドブック』は、表紙も優しくスマートだが、内容もQ&A形式で親しみやすい。自分に関心のあるQの項を選び読むのもいいが、この分野に関わっている人、あるいは興味ある人なら、一通り読まれることをお勧めする。
構成は「主な目次」の項に示した通り、Qを①心理的・コーチング的側面、②運動生理的側面、③一般的・社会的側面に分け、①で30項目、②で52項目、③で16項目を収録している。そのそれぞれのQに対し、各専門家が答えるわけだが、本書発刊に至るまでの経緯を簡単に記すると次のようになる。
1900年 オリンピック・パリ大会でテニスとゴルフに女子選手が初参加
1912年 同ストックホルム大会で水泳が女子種目に加わる。
1928年 同アムステルダム大会に陸上競技、体操、フェンシングが女子種目に加わる。
1964年 同東京大会にバレーボールが女子種目に加わる。
1976年 同モントリオール大会にバスケットボールとハンドボールが登場。
1981年 日本体育協会競技力向上委員会で、国際競技力向上長期総合強化計画の一環として「女子スポーツ強化対策プロジェクト班」設置。依頼、スポーツ科学委員会女子スポーツ対策研究班、学識経験者の協力とともに、現場の指導者、選手の意見も採り入れ、各種検討がなされてきた。
こうして、女子スポーツの指導者、選手の参考書として、本書が刊行されたわけである。
編集委員は、嘉戸脩、小谷望、杉原隆、山川純の各氏。執筆者は、跡見順子、荒井貞光、石井源信、大野美沙子、海野孝、加賀谷淳子、嘉戸、金子正子、川原貴、今野和明、沢田和明、杉原、清和洋子、塚原千恵子、土ヶ淵竹志、荻原美代子、浜松ヨシ江、山田重雄、吉田敏明の各氏(姓のみは編集委員)。
一通り読み進んでいくと、私たちは「男だから」「女だから」と容易に短絡した物の見方、考え方をし、それが科学的根拠がないどころか、単なる偏見であることが多いのを知る。男性と女性では、心理的、運動生理的、社会的に何がどう違うのか、違うからどう対処しなければならないのか、まずこういった本で客観的に捉えておくことが大切だろう。女子の指導者が男子であることは珍しくない。選手に男女があるように、指導者にも男女がある。男対男、男対女、女対女の3つの組み合わせは、指導者対選手にも生じるわけだ。また、単なる男女差だけでなく、個人差もある。言語的な能力は女子のほうが優れていて、迷路や幾何学的な図形の分割や構成、二次元や三次元の空間判断などといった空間関係の理解・認知能力では女子は男子に劣るという比較的一貫した結果が得られている(P3より)とはいえ、それも個人差があり、「男だから」「女だから」と一概にいえないのは、日常生活を通じて誰もが知るところである。
これまで、スポーツといえば、多くは男子の参加するものであり、女子選手の参加、増加は比較的近年のことである。したがって、どうしても「男社会」的な要素が強かったスポーツだが、人間の半分は女子という明白な事実から、逆に女子とスポーツというテーマへの関心が高まっているといえるだろう。また、女子とともに、子どもとスポーツというのも近年関心の高まりつつあるテーマである。これも大人の男を中心にスポーツが語られてきたからとみることができるのではないだろうか。スポーツは老若男女のものであるから、老人とスポーツというテーマも今後急速にクローズ・アップされていくことだろう。その意味で、本書は決して特定の読者を対象とするのではなく、スポーツあるいは人間社会全体の問題を扱っている。
主な目次
〔心理的・コーチング的側面〕
Q1 知的能力や性格の面で、女子と男子にはどのような違いがありますか〜 Q30 思春期以前の女子選手のコーチングが心理的な面で、どのような配慮をすればよいですか
〔運動生理的側面〕
Q1 小学生からトレーニングを始めると、初潮に何か影響がありますか〜 Q52 運動あるいは試合の前の食事は何がよいですか
〔一般的・社会的側面〕
Q1 女子選手のスポーツ参加にはどのような特徴がみられますか〜 Q16 女子選手の一般的な練習時間と練習内容はどのようなものですか。また、その理想的な姿は
〔座談会〕
1985年11月東京国際女子マラソンを振り返って
(清家 輝文)
出版元:ぎょうせい
(掲載日:1986-06-10)
タグ:女性 指導
カテゴリ スポーツ医科学
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アスリートのための栄養・食事ガイド
小林 修平 日本体育協会スポーツ医・科学専門委員会
『スポーツマンの食事のとり方ガイドブック』が20年ぶりに改定され、『アスリートのための栄養・食事ガイド』となった。(財)日本体育協会スポーツ医科学委員会・スポーツ科学研究プロジェクトの一環として研究班が結成され、1997年より3カ年計画で作成が進められた、アスリートと指導者のためのガイドブック。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:第一出版
(掲載日:2001-10-10)
タグ:スポーツ栄養
カテゴリ 食
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