もっともっと運動能力がつく魔法の方法
宮下 桂治 東根 明人
コーディネーション能力とは、「体をたくみに動かす能力」のことを言い、その能力を伸ばす運動がコーディネーション運動です。多くの場合運動神経がよいと言われる人はこのコーディネーション能力が高いことが多いです。運動神経は遺伝と考えられていることが多いですが、コーディネーション運動で刺激することによって伸ばすことができます。
実践編ではイラストがついており、一目でやり方がわかるようになっています。詳しい方法や実施する際のポイント、その種目の変形バージョンの紹介もあり、誰でも簡単に運動が実施できるように配慮されています。
また、走る、跳ぶ、投げるといった基本動作を向上させるための運動やマット運動などの体育の授業で行う運動、サッカーや野球などスポーツ競技能力を向上させるための運動、親子でできるコーディネーション運動など、さまざまな目的に合わせたコーディネーション運動が数多く紹介されています。
この本を読んで、“運動は生きる力を高める”という内容にとても共感できました。スポーツや運動は明確な目標を設定しやすく、達成感を実現しやすいことが大きな特長です。目標を設定し、努力して目標をクリアしていく。目標をクリアすることで得られる喜びや達成感がさらに上のレベルに挑戦しようという気力を生み、その向上心が生きる力を高めることにつながります。この一連のサイクルをたくさん経験して、自分の能力をブラッシュアップさせる方法を学べることがスポーツや運動が持つ教育的な側面だと思います。
コーディネーション運動は簡単な動きから複雑な動きまで幅広くあります。そのため個人の習熟度に応じた目標設定が可能です。目標を1つずつクリアしていくごとに子どもたちの気持ちがはずんでいき、新しいことに挑戦しようという気持ちがどんどん高まっていくでしょう。コーディネーション運動は身体能力と人間形成、心と身体の両面を高める有効なツールの1つになりうると思います。
(坂口 丈史)
出版元:主婦と生活社
(掲載日:2011-12-13)
タグ:トレーニング コーディネーション 運動能力 教育
カテゴリ トレーニング
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キンダーコーディネーション 子どもとスポーツの関わり
東根 明人 平井 博史
副題は「子どもとスポーツの関わり」で、「コーディネーショントレーニング実践例100」というフレーズもついている。
著者は、順天堂大学助教授でハンドボール部の監督でもある東根氏と幼年体育学園代表の平井氏である。著者は、昔の子どもの遊び、鬼ごっこ、石けり、竹馬などを挙げ、すべてとは言わないが多くがコーディネーショントレーニングにもなっていた点を指摘している。「実践例100」も実に遊びの要素が多い。従って、子どもは面白く、楽しく行う。
スポーツのあり方が問われるようになり、指導者のあり方も同時に問われ始めている。「勝つチームを目指すべきか、楽しむチームを目指すべきかで悩む」という声をよく聞くが、著者はどちらも大事で、どちらか一方にしか価値がないというのは偏った考え方だと言う。
そしてこう述べる。「指導者が、大きな度量で子どもたちと戯れるならば、やはり大きな度量の子どもになると思います。早く結果を出そうとすると、つい急いでしまいます。ちょっと立ち止まる勇気を持ちましょう」
コーディネーショントレーニングの入門編でもあり、また指導者入門にもなっていると言える1冊である。
A5判 170頁 2002年3月12日刊 1500円+税
(月刊スポーツメディスン編集部)
出版元:全国書籍出版
(掲載日:2002-05-15)
タグ:コーディネーション
カテゴリ トレーニング
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キンダーコーディネーション 子どもとスポーツの関わり
東根 明人 平井 博史
身体を器用に巧みに動かす能力である「コーディネーション」。子どものときにトレーニングすることで、神経系の能力が向上する。スポーツのみならず日常生活にも大切な能力で、そのトレーニング法を100の実践例で紹介。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:全国書籍出版
(掲載日:2002-06-10)
タグ:コーディネーション
カテゴリ トレーニング
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コーディネーション・エクササイズ
竹内 敏康 渡邉 孝 神崎 公宏 広瀬 統一 小林 秀一 山崎 浩子 東根 明人
よい動きをつくる“トレーニング”
近年のスポーツトレーニングには、筋肉に対するレジスタンス・トレーニングや呼吸循環器系に対するサーキット・トレーニングなど非常に多くの種類のトレーニングがある訳だが、今回ご紹介するコーディネーション・エクササイズはいわば「情報系、神経系」のトレーニングである。今から30年ほど前に旧東ドイツでまとめられた概念を基本に、このトレーニング研究で知られる監修者が、自らが主催する「コーディネーショントレーニング研究会」のメンバーの協力を得て、よりわかりやすいトレーニングの実技例を多数用意し、種目別に紹介したのが本書である。
わが国におけるスポーツのトレーニング方法を改めて考えてみると、まず部分的な基礎練習から入り、徐々に練習の各部分を連結していく形で最終的に実戦練習に入るという、いわば部分から全体へという流れで進めていくのが一般的である。理論としてこの流れは決して間違っているものではないが、その方法で進めようとすると、往々にして初期の練習内容が単純化され過ぎるきらいがある。そうなるとトレーニングの主体者である生徒や選手にとっては、あまりにも自らが描いた憧れのスポーツ像とのギャップがありすぎて、この初歩段階ですでに興味を失うケースも多々ありうる。さらに、この基本練習段階では繰り返し同じ動きを強制されがちなことから、またまたギャップは広がり、結局ここで早々にドロップアウトとなるケースは珍しくない。これを自然淘汰と呼ぶのは少々乱暴な話である。こと幼年期、少年期にある子どもたちには、生涯にわたってスポーツに親しんでもらいたいとの願いから、こういった基礎的な練習時期にはなるべく楽しい雰囲気で、あるいは興味を失わせない工夫をしながら練習が進められることが望まれるわけである。しかし、残念ながら、必ずしもそういった練習がわが国のすべてのスポーツ指導者に支持されているとは思えない。そういう意味で、本書のような視覚と聴覚と触覚と、場合によっては第六感をも使う必要のありそうなトレーニングメニューの数々は一見の価値あり、である。
「守・破・離」
本書の特徴は4つの重要なポイントが各トレーニングに多分に盛り込まれていることである。第一に「不規則性」。これはエクササイズにあえて順番を設けず、どれからでもランダムに練習できるようにしてあること。第二に「選択反応」。エクササイズによっては2つないし3つの刺激に対して同時に反応するように工夫されていること。第三は「身体の軸」。バランスを保つうえで重要な身体の軸をここではわざと不安定な状態にさせて、バランス感覚を養おうとしていること。そして、第四に「スローテンポ」。「ゆっくりと(動きを)行うことによって自分の筋肉や関節の動きがわかり、クイックなテンポに置き換えても動きがはっきりと理解できるというメリットがある」こと。以上のように、本書の根底には生徒や選手が飽きないような練習こそが神経を最も刺激するトレーニング方法であるという主張が流れているのである。さらに著者は「『守・破・離』という言葉がありますが、これはエクササイズを行ううえでコーチがしっかりと把握しておきたいステップ」として、まずコーチは「守」すなわちこのエクササイズに習熟し、「破」原理原則が理解できたら自分で工夫して新たな方法を模索し、「離」さらに高いレベルを目指し、最終的には独自のエクササイズを構築すべしと説いている。コーディネーション・エクササイズは無数に存在するということでしょう。コーチの皆さん、是非とも本書を手に取り、自らの独特なエクササイズをつくってみませんか。
(久米 秀作)
出版元:全国書籍出版
(掲載日:2005-02-10)
タグ:コーディネーション
カテゴリ トレーニング
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