夢を喜びに変える 自超力
松田 丈志 久世 由美子
このような成功の物語を読んで思うのは、同じような努力を積み重ねたにもかかわらずここにたどり着けなかった者たちのこと。たぶん、いるはず。
チャンピオンスポーツの無慈悲な部分であるのだが、チャンピオンになれるのは基本ひとり。それ以外の者たちとチャンピオンの差は、誰かが勝って、誰かが負けてみないとわからない。そして負けた者たちの物語が分からないので、結局のところ、差は分からないまま。なので、成功の秘訣として役に立てようとして読むのではなく、成功物語エンタテイメントとして読むくらいがちょうど良いのではないかと思う。
スポーツの成功に向けた取り組みは、実生活に活かせる部分が多くあるのだが、それがそのまま生かせるかというと疑問符が付く。スポーツは、やることが決まっている、結果を出すべき大会も決まっている。実生活は、やることは無数にあり、生活における結果ってなんだろう?
水泳という種目では、泳法が決められ、泳ぐ方向が決められ、一斉にスタートし、順位がつけられ…と、いろんな制限によりやることが決められていく。生活をプールの中に無理やり当てはめるならば、どの方向に泳ごうが、ボールを投げようが、何m潜ろうが自由な状態だ。そんな状況で順位や成功はどのようにして決まるのだろう。
彼らがやっていることは、やれることを、とことんやっているということである。やれないことには目もくれず。そのことから得られる実生活に活かせる学びとしては、「制限をかける」とか「限定する」とか、流行の言葉でいえば「選択と集中」ということになるのではないかと思う。
そしてそれを一言に昇華させると「本気」になるのではないかと思う。
目標を掲げ、本気になって取り組んできた二人の物語は、心を奮い立たせてくれます。
目標があっても一歩踏み出せていない人は是非ご一読を。
(永田 将行)
出版元:ディスカヴァー・トゥエンティワン
(掲載日:2018-04-28)
タグ:水泳 コーチング
カテゴリ 指導
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夢を喜びに変える 自超力 壁を突破し、成果を出すための「学び」×「教え」
松田 丈志 久世 由美子
競泳選手としてオリンピックに4大会連続出場し、4つのメダルを獲得した松田氏と、コーチ久世氏の共著。28年間にわたって1つのことを高いレベルでやりきった両氏の考え方や工夫は競技問わず、またスポーツに限らず参考になる。松田氏はトップレベルの選手でありながら周囲への感謝を忘れず、「手紙」という形にしてきた。久世氏は今の力より少し上の目標を設定するのが巧みで、選手と本気で向き合うことがそれを可能にする。さらに2人はずっと2人3脚だったが、同時に別の環境での練習や、先輩や子どもたち、他の分野の人との交流を積極的に行った結果、成長し続けられたのだとわかる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ディスカヴァー・トゥエンティワン
(掲載日:2017-08-10)
タグ:競泳
カテゴリ 指導
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