「脳科学」の壁 脳機能イメージングで何が分かったのか
榊原 洋一
巷にはさまざまな脳を鍛える学習ツールやゲームソフト、書籍にあふれ、さらにテレビ番組に至るまで、脳科学は一種のブームとなっている。
この一種の脳科学ブームを、子どもの発達と神経疾患を専門とする小児科医の著者が、昨今行き過ぎた脳科学ブームに踊らされない、きちんとした視点を持てるようにと冷静に解説しているのが本書である。
脳科学はどうして今のようなブームとなっていったのか、これまで話題となった「脳内革命」「唯脳論」やゲーム脳、さらに前頭葉ブームにまで着手する。しかし、著者が「はじめに」に記してあるように、決して脳科学を非難、否定しているわけではない。たとえば、ある実験に関して、どのように行われ、なにが問題なのか、さらにその実験が示すデータはなにを物語っているのか、それを脳科学から考えると私たちの捉え方は正しいのかを1つ1つ解釈している。少しでも脳の機能を高めようといろいろと購入し試しているみなさん、脳科学の現実と限界を知ることができます。
2009年1月20日刊
(田口 久美子)
出版元:講談社
(掲載日:2012-10-13)
タグ:脳科学
カテゴリ その他
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