子どものスポーツパフォーマンスを高める トレーニングの基本
比嘉 進
スポーツパフォーマンスを高めるために、8つの基本トレーニング:ファンクショナルトレーニングを提唱する本書。以下がその8つである。①プランク、②スクワット、③ランジ、④ヒンジ、⑤ローテーション、⑥プッシュ、⑦プル、⑧キャッチ。
筆者が実際にサポートした読谷高校ラグビー部の実例を示しながら、学生の声もとりあげることで、結果だけではなく、学生にどんな「内的変化」があったのかがわかる構成になっている。ラグビー経験はない筆者だが、「体のホントの使い方」を伝えることで、読谷高校ラグビー部を全国大会出場に導いた。
現代の子ども達は外遊びの機会が減り、体力・運動能力が低下していて、身体の使い方がわからなくなっている。自分でトレーニングしようと、YouTube などで検索すれば、膨大な情報が手に入るが、自分の身体や競技に適しているかどうかという判断は難しい。また、指導者側にも、自分が自然にできてしまう(しまった)ことを、言語化し、伝えることはなかなかできないという。そこで筆者の出番。まずは、3カ月間の自重トレーニングに取り組んだ。ある学生は、ウェイトトレーニングよりきつかったと回想しているが、筆者は個々に強度設定することがポイントだという。
また、マシンを使ったトレーニングは安全に行える反面、固有受容器に対する情報が少ないために、筋力がついても実際の競技に活かせない点を指摘している。その点、ファンクショナルトレーニングは、多関節からのフィードバックがあるのが特徴で、さまざまなバリエーションの応用がきく。
8つのシンプルな動きで、誰もがやったことがあると思う。新しいものがどんどん目の前を通り過ぎていく世界で、一度目を閉じて、基本に立ち返り、当たり前のことを見直すことが、必要なのかもしれないと思った。
(塩崎 由規)
出版元:現代書林
(掲載日:2022-03-22)
タグ:ファンクショナルトレーニング
カテゴリ トレーニング
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