変形性股関節症は自分の骨で治そう! 人工関節をえらぶ前によむ本
井上 明生 大川 孝浩 永井 良治
昨今、中高齢者による運動・スポーツへの愛好家が増えている。いつまでも若く元気でいたいという思いから、ウォーキングなどの軽い運動のみならず、山歩きといった本格的なスポーツまで楽しんでいる方も多い。しかし、その一方で、運動やスポーツをやりたくても膝や腰や股関節が痛くて歩くことも困難という人もいる。
本書は、変形性股関節症という股関節の痛みに悩んでいる方たちに向けて書かれている。医学技術が飛躍し、20世紀後半には「世紀の手術」と言われるくらい股関節疾患の患者さんたちに人工股関節置換術は恩恵をもたらしたと著者は言う。しかし、本書では人工股関節置換術をすすめているわけではない。著者の信念の1つは「移植医療は医療の敗北」だと言う。いかにして股関節における移植医療、すなわち人工股関節置換術を避けるかに焦点を置き、代わりに「キアリ骨盤骨切り術」という方法を紹介している。この手術の適応、治療成績、限界など、患者の立場にたって、大きな文字で書かれている。最終的には患者の判断によるものだが、移植医療以外の対応を知っておくことは大事なことではないだろうか。
2008年12月5日刊
(田口 久美子)
出版元:メディカ出版
(掲載日:2012-10-13)
タグ:変形性股関節症
カテゴリ スポーツ医科学
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