貧乏人は医者にかかるな!
永田 宏
過激なタイトルと感じた方がいるかもしれない。しかし日本の未来はもっと過激なものかもしれない。
副題にあるように焦点は医師不足が招く医療崩壊。日本の医師不足は、地方における病院で2000年前後を境に叫ばれるようになり、ここ2~3年では都心部においても医師不足は問題視されるようになった。しかもアルバイト医師が急激に増えている現状がある。
そもそも医師はなぜ不足していると言われているのか。厚生労働省が主催する検討会でまとめられた2005~2006年度の報告書ではこうある。2004年で、医師の勤務時間を週48時間として必要医師数を計算すると医療施設に従事する医師数が25.7万人。それにたいしての必要医師数は26.6万人とある。つまり2004年の時点で9,000人の医師が不足の状態にあるのだ。現場での実感としては数万人不足しているという感覚。だが現時点の結論として(医師の需要の見通しとしては平成34年(2022年)に需要と供給が均衡し、マクロ的には医師数は供給されるという。
本書を読み進めていくと、国が考える医療の問題点は医師不足とはどうやら別のところにあるようである。今医療はさまざまな点で転換期にある。
2007年10月22日刊
(三橋 智広)
出版元:集英社
(掲載日:2012-10-12)
タグ:医療
カテゴリ その他
CiNii Booksで検索:貧乏人は医者にかかるな!
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:貧乏人は医者にかかるな!
e-hon