日本人の精子力
矢沢 潔
日本には中国の一人っ子政策があるわけでもないのに、少子化は進む一方である。いったい何が原因になっているのか。経済的な理由で、女性の社会進出なども大きく関連しているかもしれないが、本書では生理学的な観点でこの問題を見ていく。著者は矢沢潔・科学情報グループ矢沢サイエンスオフィス主宰。
簡略的に言うと、今日本人の精子が危ない。精子数の著しい減少や、不活発な劣化精子が増加が問題として挙げられ、近年ではさまざまな研究機関での調査、研究が進められている。
本書ではコラムにアメリカの医学研究期間ハーバード・メディカル・スクール(ボストン)の研究者達の報告を簡略的にしたもの等も紹介。
これらによると、精子の劣化は、生まれつきの遺伝的な要因によるものと、成長する過程など生活環境に問題がある男性に多い傾向がある。遺伝的なものは改善することができないが、環境的な要因として、1)高温環境、2)炎症性疾患、3)飲酒、喫煙、4)薬剤・ドラッグ、5)放射線治療、6)化学物質などが挙げられるそうだ。子孫を残していくことはヒトとしての使命。いま、真剣に考えるときかもしれないです。
2007年9月14日刊
(三橋 智広)
出版元:学習研究社
(掲載日:2012-10-12)
タグ:精子
カテゴリ 医学
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