Q&Aでわかるアンチ・ドーピングの基本
第一東京弁護士会 総合法律研究所 スポーツ法研究部会
オリンピックなどの国際的なスポーツの大会を見ていると、ドーピングという言葉を聞くことがあるでしょう。「自分が有利になるために薬を飲んだり注射したりする」という認識の方が大半だと思いますが、ドーピングの定義や規制は思っている以上に複雑なものです。日本においては、カヌー競技の選手が日本代表を争うライバルのドリンクに禁止されている物質を混入させたという事件が記憶に新しいと思います。この一件では、混入された側の選手は資格停止の処分が下らずに済みましたが、知らずのうちに摂取してしまった形であっても、場合によっては資格停止などの処分が下されることがあります。知っているようで知らないドーピングのこと。その世界はいったいどれほど細かいのか。どのような対策がなされているのか。
本書ではドーピングとは何かについてや検査の方法、疑われないためにアスリートが気をつけるべきこと、また日本や世界ではドーピングという行為に対する対策がどのように進められているのか、選手はどうすべきなのかというアンチ・ドーピングについて、実際に起きた事例も交えて述べています。
アンチ・ドーピングについて知ることでスポーツに対する理解も深まるかと思いますが、実はアンチ・ドーピングは世界や国内トップレベル選手だけの話というわけでもありません。本書の中にも事例がありますが、一般レベルの競技力であっても、競技会によってはドーピング検査の対象となることがあります。選手としてそれなりの大会に出る機会がある人は、ぜひ本書でアンチ・ドーピングについての知識を手にしていただきたいです。
(濱野 光太)
出版元:同文舘出版
(掲載日:2019-08-24)
タグ:ドーピング
カテゴリ スポーツ医科学
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