メジャーをかなえた雄星ノート
菊池 雄星
菊池投手(シアトル・マリナーズ)は「千里の道も一歩から」「ローマは一日にしてならず」といったフレーズが似合う選手です。「書く」という作業を14年間も続け、自らを成長させた菊池投手の苦悩・葛藤・反省・目標がこの書籍からわかります。また、高校生時代のノートと埼玉西武ライオンズ時代のノートを比較することで、プロになるまでの成長の段階も垣間見ることができます。
この「ノートに書く」という大切さを指導していたのは、甲子園にも出場した花巻東高校時代の佐々木監督です。佐々木監督は大谷投手(現アナハイム・エンジェルス)と菊池投手の高校時代の恩師です。菊池投手は文中のノートに「佐々木監督のミーティングを受けたい」と述べています。その指導力の素晴らしさについて「言語化を求める」と表現しています。言語化による再現性が指導力のよさであり、お互いにコミュニケーションを取る道具になります。そしてノートを書くことが言語化するために必要な作業です。
大型書店の自己啓発コーナーには今も昔も「目標達成」に関する書籍が数多くあります。その中でも、この書籍は1人の野球選手が14年にもわたり書き続けた記録が残っています。こんなに、地道に何時間もかけて赤裸々に書き記されたノートは最高の教材です。今現在目標を達成するために行動している方に参考にして頂きたいです。
私も一時期は、手帳にスケジュールを書いて、その日に感じたことを書き込んでいた時期があります。しかし、スマートフォンにスケジュールを記載するようになって「書く」という作業がなくなり、反省しています。感情や言葉や気付いたことを紙に記すことは、人類の発展にも関わっています。文字を書くことは、我々が生きていく上でコミュニケーションを図る方法の1つであり、決してなくすことはできません。改めて、思いや言葉を文字にする大切さを教えてくれる書籍です。
(中地 圭太)
出版元:文藝春秋
(掲載日:2019-11-18)
タグ:ノート 目標達成
カテゴリ 指導
CiNii Booksで検索:メジャーをかなえた雄星ノート
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:メジャーをかなえた雄星ノート
e-hon