野田式足裏トレ
野田 隆基
私ごとで恐縮ですが、解剖生理学を勉強するときについ足部をおろそかにしてしまう傾向があります。身体の末端であることも理由の一つかもしれませんが、足部の構造の複雑さと機能の難解さにテンションが下がっていたのかもしれません。本書を読む前段階で苦手意識を感じていました。そんな私にとってありがたかったのは興味深いテーマにそって足の構造・機能を解説されていたので、暗記ではなく納得しながら読むことができたことです。様々な項目に対する関節や筋肉の存在意義やその重要性を知ることができたのはよかったです。
足に興味を持つ一般の方にとって理解しやすい解説と面白いテーマに、本書の読みやすさが表れています。筆者が力説される身体を支える重要な部分としての足部を、身体全体とのつながりの中で紹介されるトレーニングは「足のため」としてではなく「身体全体のための足」であることを実感させられます。
おそらく本書にある「足裏トレ」は長期的な継続が必須となるでしょう。それはやはり足だけの問題ではなく身体全体の動きに影響する段階まで続ける必要があるからです。
本書のトレーニングはアスリートが身体操作の基本として活用することもできそうですし、高齢者が不自由を感じることなく歩くためにも有効だと感じました。
(辻田 浩志)
出版元:徳間書店
(掲載日:2022-10-26)
タグ:足裏
カテゴリ トレーニング
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