キンタのサッカーで遊ぼう 日本サッカーの夜明け
金田 喜稔
タイトルの奥に潜む熱き心
筆者の「キンタ」こと金田喜稔氏は、サッカー通なら誰もが知っている名選手、元日本代表選手だ。現在、彼はTVのサッカー解説者としても活躍中だ。
そんなキンタ君が日本サッカーを熱く、熱く語ったのがこの一冊。
「キンタのサッカーで遊ぼう」なんてタイトルに、皆さん騙されてはいけません。
自身がサッカー界のトップにいた経験を十二分に生かして、日本サッカー界の現状や問題点、果ては日本のスポーツ界全体に至るまでの提言をこの一冊にコンパクトにまとめてある。サッカー関係者のみならず、スポーツ指導に携わる人たちには是非一読をお勧めしたい。
キンタの「教えすぎない」指導法
キンタ君がもうひとつ熱っぽく語るのは、ジュニア育成法だ。彼自身、親善大使として海外でサッカースクールを開講したり、ボランティアとして日本の子どもたちに教えている経験をもとに、「キンタ」のジュニア指導論を展開している。
「教えすぎない」指導法もそのひとつ。よい指導者となるためには、どこまで教えるかを見極めることが必須条件。しかし、これがなかなか難しい。キンタ流「教えすぎない」指導法とは? このほかにも、彼のサッカー観に基づくジュニア育成観が多く語られていて、果ては地域スポーツクラブ設立まで話が及ぶ。これも興味深い。
W杯がやってくる
さて、今年最大のスポーツイベントといったら、なんと言っても日韓W杯開催。今世紀初、アジア初、初の共催と初めてづくしの大会開催まで、あと少しだ。
キンタ君はこの大会を、世界のサッカーファミリーの祭典と考えている。そして、彼はホストとして、どうやってファミリーを日本に迎えようか真剣に考えている。彼は、決勝が予定されている横浜国際競技場の近くに在住しているそうで、そんなことから、決勝当日はスタジアムに入れないみんなと、行きつけの店でTV観戦なんてことも考えている。もしかしたら、キンタ君の名解説つき決勝観戦なんてことも……。行きつけの店ってどこかって? それは、読んでのお楽しみ!
(久米 秀作)
出版元:朝日ソノラマ
(掲載日:2002-05-10)
タグ:サッカー ジュニア
カテゴリ 指導
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