アスレティックボディ・イン・バランス
Gray Cook 石塚 利光 菊地 真也 鈴木 岳 友岡 和彦 山下 貴士
本書を読み進めるうちにイメージしたのは自動車です。もし自動車のタイヤがねじれていたら、もし自動車の車軸がぶれていたら、高速で走れば走るほど故障や事故の可能性は高くなります。ともすればパワー中心の性能に目がいきがちですが、それはバランスがとれているという前提があってこその話です。
本書の特徴は、そのような身体のバランスから始まるトレーニングの順序の重要性を説いたところにあります。パワーやスピードを得るためのトレーニングは重要ですが、まずその前提となるバランスを整えてからパワー、スピード、アジリティを高めていき、最後に競技に必要な動きを高めるという手順は合理的です。
単にパフォーマンスの向上だけではなく傷害の回避や競技者の潜在的な問題点の洗い出しに役に立ちそうです。筋肉や関節の役割を明確にし、それらのつながりを把握するという取り組みは大きな意義があります。今まで漠然と鍛えていた身体の部位も、役割と他の部位との関連性がわかれば、おのずとトレーニングの目的も明確になり、自分の身体とその動きにも理解が広がるはずです。
(辻田 浩志)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2020-12-16)
タグ:身体 バランス 評価
カテゴリ スポーツ医科学
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