バスケットボールの教科書 4 指導者の哲学と美学
鈴木 良和
ジュニア期のコーチングの専門家である鈴木氏による「バスケットボールの教科書」シリーズが最終巻を迎えた。これまで取り上げてきた技術論やチームマネジメントなどを踏まえ、この巻では指導者としてあるべき姿や美学を解いていく。とはいえ、今ある環境とメンバーで最も効率のよい練習メニューの選択や、スタッツ(データ)の客観的な分析、選手の意欲をいかに引き出すかなど、内容は基本的かつシンプルだ。だが、これを実践するのは簡単ではない。選手と同じくコーチにも五段階の成長過程があり、第五水準の「偉大な経営者」たる指導者には謙虚さがあるという。鈴木氏自身も第五水準の指導者でありたいと思っているそうで、決して押しつけないが読者の心を動かす力のある文章からそれが伝わってくる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ベースボール・マガジン社
(掲載日:2017-09-10)
タグ:バスケットボール 指導
カテゴリ 指導
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バスケットボール ロバストシューティング
鈴木 良和
むかし部活でバスケットボールをしていましたが、毎日お昼休みは体育館でシュートの練習をしていました。だいたい6割以上は決めていたんですが、いざ試合になると成功率はかなり落ちました。中学生だったので意識も高くなくて先生に言われるがままに練習していたにすぎません。初心者だったのでそれはそれでよかったかもしれませんが、本書を読んでみると試合になるととたんに成功率が落ちる原因が理解できました。
「ロバスト」とは堅牢性であったり頑強性という意味ですが、外乱を受けても挙動が安定していたり、外部からの影響を受けないという意味で使われています。バスケットボールのゲームではディフェンスがシュートなどの攻撃を妨害するのが前提なので、ディフェンスなしでシュートの練習をしていても試合で決められるはずもなかったということ。
「大切なのは外乱因子に対する乱れに強いシュートの習得」と表紙に記されている通り、妨害されることを前提とした練習方法が本書の骨子です。気持ちよくプレーさせてもらえないという点で共通する野球からは、イチロー選手が何を考えて練習していたかも紹介されています。あらゆるスポーツでもレベルが上がればそれだけ考え方を変えていかないと通用しないという点では練習方法だけではなく、まず考え方から改める必要があることを教えられました。具体的な練習のプロセスもわかりやすく、段階を踏んだうえで徐々にゲームで使える技術に高めていくという点で、プレイヤーだけではなく指導者の方にも是非お読みいただきたいです。解説の多くは写真が主で一つ一つの項目でポイントを示してくれるのはありがたいです。理想的なのはチーム全員が本書を読まれ、意識の部分や具体的な方法を共有されることだと思います。
(辻田 浩志)
出版元:ベースボール・マガジン社
(掲載日:2024-11-18)
タグ:バスケットボール シュート
カテゴリ 運動実践
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