高校球児に伝えたい! ラテンアメリカ式メジャー直結練習法
阪長 友仁
高校球児に伝えたい! ラテンアメリカ式 メジャー直結練習法
野球は、本来楽しむものです。日本を代表する国民的スポーツである野球は、皆小さい頃にたまらなく好きで始めていませんか? 昨今、野球人口の減少や野球熱の低下とささやかれている野球界だからこそ訴えたいテーマです。
この書籍では、日本の野球観とラテンアメリカの野球観の違いがはっきりとわかります。大きく捉えるとお国柄の違いもあります。しかし、ラテンアメリカでは野球が将来メジャーリーグを目指すための方法であり、日本では教育としての方法という差があります。そして、考え方だけではなく技術面でも違いがあります。たとえば、日本の指導ではゴロ捕球は正面に入って取るのが基本ですが、ラテンアメリカでは逆シングル捕球を推奨しています。この違いにより、メジャーリーグに日本人野手がラテンアメリカに比べて少ないと述べられています。
面白い違いは、日本で人気のポジションはピッチャーであり、早い頃(小学生、中学生)に投げ込みが原因で肩をケガする選手が多いですが、ラテンアメリカでは不人気なポジションになります。不人気のため、ピッチャーの投球過多問題やケガとは無縁です。ちなみに、肩を消耗品と考えると日本人メジャーリーガーで40歳前後まで活躍した投手は高校時代にエースではありませんでした(上原浩治氏、野茂英雄氏、斉藤隆氏、黒田博樹氏)。
最近では筒香嘉智選手(横浜DeNAベイスターズ)が野球指導に対する啓蒙活動を行っています。かつて筒香選手が在籍した堺ビッグボーイズでは、これまでの指導方法を改めて新たな形を模索して動いています。書籍の最後に登場しますが、これまでの慣例を壊していくような目からの鱗の実話が多く参考になります。
メジャーリーグに日本出身選手よりもラテンアメリカ出身の選手が多いのは環境の違いと言えば簡単です。夏の甲子園大会の日程や投球数など、さまざまな問題がありますが、ラテンアメリカの野球を知ることで日本野球を別の角度から見ることができま、なぜ日本人メジャーリーガーが増えないのかを考えるヒントを与えてくれます。
(中地 圭太)
出版元:東邦出版
(掲載日:2019-09-14)
タグ:野球
カテゴリ 指導
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