救急救命士 病院までの主役たち
国士舘大学体育・スポーツ科学学会
国士舘大学体育・スポーツ科学学会の発行によるスポーツ・システム講座シリーズの第7弾で、副題は「救命救急士教育のあり方」。
「救急救命士と救急医の連携の未来」島崎修次(日本救急医学会理事長、杏林大学医学部救急医学科教授)、「MC体制下における救急活動現場と大学機関の連携」鈴木正弘(東京消防庁 救急部長)、「救急救命士の現状と将来像」佐藤陽次郎(厚生労働省 医政局指導課課長補佐)、「救急救命士大学教育の将来展望」田中秀治(国士舘大学体育学部スポーツ医科学科教授)の4氏の話が収録され、4氏による総合ディスカッション「救急救命士の現況と将来を見据えた救急救命教育のあり方」で締めくくられている。
救急件数の増加に伴い救急救命士をもっと供給する必要がある一方で、その質を落すことなく数を増やす教育環境の整備が求められている。どういった教育がなされるべきなのか。この本は多くの問題を提起している。
国士舘大学体育・スポーツ科学学会発行
アイオーエム発売
2005年4月20日刊
(長谷川 智憲)
出版元:アイオーエム 国士舘大学体育・スポーツ科学学会
(掲載日:2012-10-09)
タグ:救急救命
カテゴリ 医学
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イチローのメンタル ケータイでできる野球のメンタルトレーニング
豊田 一成
こころの「深み」
人間は誰しも欲を持つ。たとえ幼児といえども欲を持っている。おなかがすいた、何か食べたい、眠りたい等がそれだ。アメリカ心理学会の会長を務めたこともあるアブラハム・マズロー(1908~70年)は、これらの欲求を生理的欲求と呼び、人間の最も根源的な欲求と位置づけた。そして彼が最も人間として価値が高く、最終的に追い求めるべき欲求と考えたのは「自己実現の欲求」である。マズローは、人間がその一生涯において、生まれながらに持っている生理的欲求や安全保障の欲求から徐々に社会的欲求を萌芽させることで自らを高めてゆき、最終的に「自分とは何か」の解答として自己実現の欲求を満足させるまでのプロセスを見事に説明してくれた。が、言い換えれば彼のこの試みは、人間のこころの「深み」を追求するプロセスであったと言える。そして、彼はこのプロセスを純粋理性としてではなく実践理性的テーマとして追求することこそが心理学に与えられた命題であると考えたのである。
ケータイ・トレーニング
この言葉は私の造語である。今回ご紹介する本のサブタイトルに「ケータイでできる、野球のメンタルトレーニング」となっていたので、こんな造語が思いついたのである。それにしても、(スポーツ)トレーニングまで携帯電話とは。マズローさんも生きていたらさぞ驚かれたことでしょう。まさに、これは実践的かつ直接的なメンタルトレーニング・アプローチである。具体的にはどういうものかと言うと、本書の「Ⅱ章野球のメンタルトレーニングプログラム内容」のところに「QRコード」なるものが表示されていて、カメラ機能やバーコードリーダー、音声再生機能のある携帯電話でこのQRコードを読み取ると、今回のメンタルトレーニングサイトが表示され、実行できるようになっている。評者もQRコード読み取りに少々てこずりながら(笑)サイトに入ると、男性の声でこのメンタルトレーニングの概要が流れてきた。そして現在の自分の客観的な状況として心拍数の測定と進んでいくのであるが、全体的に少々時間がかかるのでパケット通信料金がかなり高額になりそうだ。そこで、本書中にも電話会社と毎月定額でかけ放題の契約を結ぶことが望ましいとの注意書きがある。それにしても、恐るべし携帯電話。評者は授業中に携帯電話をいじっている学生を注意したら「今、辞書で字を調べているところです!」って言われて恐縮した経験があるが、これからは練習中に携帯電話を使っている選手がいても、頭ごなしには注意できないなんてことあるのかな?
著者は、今年の9月にメジャーで6年連続200本安打を記録したマリナーズのイチローのメンタルトレーニングを担当した経験を持つ。本書中にもイチローの自筆による、高校時代に書いた目標が掲載されているが、著者も指摘するように、イチローの特徴は普通の人間が目標とする“夢”のもう一歩先の夢を見据えているところにあるようだ。自己実現の方法は人によって様々だが、“心”をトレーニングすることでさらに一歩先を目指せるとしたら、信じてやってみる価値はあると思いませんか。
最後に
皆さん、私の担当は今回で終わりです。足掛け5年、これまで約50冊の書評を書かせていただきました。書く側はいたって気楽。知らない本は読めるし、好きなことを勝手に書いてよいし、で大変楽しい経験でした。が、書かれた側の皆様はさぞかしお怒りでありましょう。確か、吉川英治氏の名著「宮本武蔵」の一節に「“墨を白紙に落とすが如く”人間のやったことは一生涯消えるものではない」というような件があったように記憶しております。この責任は、私、しっかり墓場まで持っていく覚悟ですので、何卒ご容赦のほどを。では皆さん、また何処かで。
(久米 秀作)
出版元:アイオーエム
(掲載日:2006-11-10)
タグ:メンタル トレーニング
カテゴリ メンタル
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二十四式太極拳 ケ-タイを見ながらできる
范 永輝 三浦 武
古来、中国で生まれた武術を、現代人の心の安らぎと健康のために、抜粋して短い組み合わせにまとめたものが、二十四式太極拳だ。
本書は、「前書き」と「特色と活用法・QRコード一覧表」と「後書き」しか文章がなく、あとは全部写真で表されている。背面、正面の分割写真の動きを追えば、自然に動作ができるよう、工夫されている。ただ、下肢と上肢の連動性やスピードなどは、やはりQRコードを読み取って携帯電話で動画を見たほうが一目瞭然だろう。なるほど、これならいつでもどこでも、手軽に太極拳が行える。便利な世の中だ。
(平山 美由紀)
出版元:アイオーエム
(掲載日:2012-10-13)
タグ:太極拳
カテゴリ 運動実践
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いつでもどこでもフットサル
須田 芳正
日本で初めてという、ジュニア向けフットサルの本。フットサルの歴史から技術、戦術、トレーニング、ルールなどを、文字を大きくし、イラストで解説するなどわかりやすい内容となっている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:アイオーエム
(掲載日:2004-01-10)
タグ:フットサル
カテゴリ 運動実践
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体育・スポーツ系大学生のための論文・レポートの書き方
国士舘大学大学院スポーツ・システム研究科 山本 徳郎 西山 一行
体育・スポーツ系大学生を対象に、論文やレポートを書くうえでの基本的に知っておくべき事柄と手順を紹介。資料の収集、資料の整理、レポートや論文のまとめ方や執筆の手順について具体的に説明。主な体育・スポーツ系学会一覧も掲載。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:アイオーエム
(掲載日:2004-02-10)
タグ:論文
カテゴリ その他
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体育・スポーツのサイコロジー
豊田 一成
「体育心理学」「スポーツ心理学」「健康運動心理学」に大別される心理学分野。本書は10名の執筆者により、オールラウンド的見地に立ち、体育・スポーツ・運動に関する心理学について紹介。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:アイオーエム
(掲載日:2005-01-10)
タグ:スポーツ心理学
カテゴリ メンタル
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