だれにもわかる 運動処方入門
堀居 昭
医学が予防に目を向ける時代がきているように、体育・スポーツにも健康・体力づくりの掛け声とともにその科学的成果に基づく実際的方法が求められている。「運動処方」という言葉が示すように、近年とみにクローズ・アップされてきた積極的健康づくり、それを通じての予防は、スポーツ医科学の集大成ともいえるだろう。
だが、医学であれ科学であれ、やはり一般人にはとっつきにくい難解なものであり、「運動処方」はまだ生活にその位置をすえ切ってはいない。「だれにもわかる」と書名に冠された本書は、その意味で運動処方に興味・関心はあるが馴染めなかった人にとくにおすすめしたいものである。
本書でも数多く執筆していただいている著者は、日本体育大学のトレーニング研究室主任教授として、日々実践の場に立ち研究生活を過ごしておられるが、その成果がいかんなく発揮されている。理論面をわかりやすく説き、実際を具体的に提示する一貫した論述は、実際に運動を処方するうえで極めて優れたガイド・ラインとなるだろう。たとえば、ジョギングは「分速は250m以下とし、距離を2〜5km程度、週に3日ぐらいが健康・体力づくりには適した運動処方といえる」といった記述がそれである。各指導者、管理者はもとより一般の方に広くおすすめする。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:共栄出版
(掲載日:1984-11-10)
タグ:運動処方 入門
カテゴリ スポーツ医科学
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