ヒューマンエラーを防ぐ知恵 ミスはなくなるか
中田 亨
人間によるエラーを防ぐことは、人間にしかできない。一方で「型にはまらないエラーをしでかすのも人間」であるという。多くの事故が過去に起こり、それを教訓として安全対策が取られてきた。事故防止の戦いは尽きることがない。本書では、ヒューマンエラーの本質について平易に述べ、事故を防ぐためのさまざまな方策が紹介される。スポーツ現場での安全管理などにも応用可能かもしれない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:化学同人
(掲載日:2009-06-10)
タグ:エラー スポーツセーフティ
カテゴリ その他
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あなたのエクササイズ間違っていませんか? 運動科学が教える正しい健康メソッド
桜井 静香
現代では健康志向が高まってきており、自ら毎日運動をしたり、スポーツクラブへ通ったり、健康プログラムを受講するなど、さまざまな方がいろいろな形で健康を追求している。
しかし、一方で、普段何気なく日常生活を送っているうちに、「自分は問題なく、健康そのもの」と思い、ちょっとした自分の身体の変化や問題になかなか気づけない方も多い。ほとんどの方は、「健康でありたい」と思っているが、実際には何か問題が起きてから、真剣にその問題解決のために行動を起こしていくことのほうが多いのではないだろうか。
本書では、そのような身体の問題を見つけ出し、その原因を追及し、問題解決のためのエクササイズが紹介されている。「なぜこうなってしまうの?」という疑問に対して、運動科学を理解することによって、答えがわかってくるはず。本の中には、たくさんのエクササイズの図やその方法が丁寧に書かれており、初心者の方でも気軽に取り組むことができる内容になっている。普段起こっている問題を専門知識も交えて、説明がされているため、初心者の方から専門家まで楽しんで読むことができるのではないだろうか。
普段、正しいと思って一生懸命実施しているエクササイズも、本当にそれが自分の身体に適したエクササイズなのか、問題の根本的な原因は何なのか、エクササイズの方法が本当に正しいのか。運動科学を理解することによって、エクササイズの質をもっと高めていけるのではないだろうか。
現在では、運動や健康に対するさまざまな情報が手軽に入手できるようになっている。しかし、情報が多くなっている反面、「今自分に一番必要なものは何なのか」「結果が出ないのはなぜなのか」という疑問に対して、情報が混同していまい、理解をするのが難しい。エクササイズの方法はたくさん知っているからといって、がむしゃらに一生懸命それを実施すればよいかといえば、そうではないと思う。エクササイズ一つ一つに意味があって、その人の身体の状態によって必要なものは全然違ってくると思う。せっかく時間とエネルギーを費やすのであれば、運動科学を知った上で、自分の状態を理解し、裏付けがある状態で正しいエクササイズを選ぶことができれば、今以上に効果的なエクササイズができるのではないかと考える。
(清水 歩)
出版元:化学同人
(掲載日:2012-10-13)
タグ:運動科学 トレーニング
カテゴリ 運動実践
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体力学
中谷 敏昭
シリーズ名「はじめて学ぶ健康・スポーツ科学シリーズ」にもある通り、これから専門的知識を吸収していこうという学生のための教科書である。よってテーマに関する最新の知見がわかりやすく整理されている。「体力」は身体的能力に限らず、ストレス耐性や免疫力などの要素も含む。また、20歳代までは向上し、それ以降は低下する。さらにはアスリートや障がい者へのアプローチについても個々に考えて取り組む必要がある。
すでにトレーニングなどの指導者として活躍している人も、現場が変わったときの再確認として参考になる。
シリーズは全11冊が予定されており、本書は5番目。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:化学同人
(掲載日:2014-09-10)
タグ:体力
カテゴリ スポーツ医科学
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40℃超えの日本列島でヒトは生きていけるのか 体温の科学から学ぶ猛暑のサバイバル術
永島 計
「体温ってなんですか?」と聞かれて、あなたは自信を持って答えることができるだろうか?
スポーツ選手の脱水によるパフォーマンス低下から、高齢者に起こる室内での熱中症まで、暑熱環境が人体に与える環境は大きい。この暑さへの対抗策はなにがあるだろうか。本書の結論を先に申し上げると、対抗策は水分補給が最も有効かつ効率的である。
なんだ当たり前じゃないか、と思われるだろう。しかし、この当たり前がきっちりとできていないことは、毎年の熱中症のニュースを見れば明らかであろう(熱中症による救急搬送は2019年8月だけで3万6千人である)。水を飲む、という行為は至極簡単なはずなのに。つまり、重要なのはなぜ適切な水分補給ができていないか、どうすればできるようになるかである。
本書はこの結論に至るまでに、体温とは何か、気温はどのように体温に影響を与えるか、身体に備わっている温度センサーには何があるか、それが正常に機能しなくなるのはどんなときか、またもちろん水分補給以外の体温を下げる手段についても解説している。
非常に興味深かったのは、脱水と体温上昇により、人は「寒く感じる」ということだ。暑さによる影響を受け始めたタイミングで、人体に備わっている温度センサーは容易に狂い始める。余談だがこれは寒冷環境でも同じようで、人は低温環境に一定時間さらされると「暑く感じ」、「服を脱ぎ始める」という矛盾した行動をとるという研究がある。雪山で遭難し凍死した人の遺体は、裸に近い服装で発見されることが多いそうだ。
話を戻して、水を飲む、という簡単な行為でも、個人レベルでのコントロールは難しい。トレーナーや指導者側による管理が必須だ。
コロナウイルスによる自粛もピークは過ぎ、徐々に日常へ戻ろうとしている。スポーツ活動も再開していこうという中、安全なスポーツ活動再開のために暑さ対策について本書で学んでいただけたらと思う。
(川浪 洋平)
出版元:化学同人
(掲載日:2020-05-23)
タグ:体温 熱中症
カテゴリ スポーツ医科学
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あなたのエクササイズ間違っていませんか? 運動科学が教える正しい健康メソッド
桜井 静香
これまでの運動指導経験と、運動科学の裏づけに基づいた健康のための運動を提言するもの。まず、なぜ運動がよいのかについて理論的な説明が行われる。どこに注意して何を行えばよいのかについて、ストレッチングや筋力トレーニング、ウォーキング、ジョギングを紹介。お悩み相談のコーナーでは、運動は継続しなければ意味がないのか、また筋肉痛にならないためにはどうすればよいか、便秘や肩こり、腰痛に関係した項目など13の悩みに語りかけるように答えている。運動は楽しいもの、自分の感覚を大切に、というメッセージが一貫して流れている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:化学同人
(掲載日:2008-07-10)
タグ:運動科学 トレーニング
カテゴリ 運動実践
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魅惑の生体物質をめぐる光と影 ホルモン全史
R.H.エプスタイン 坪井 貴司
「生体の外部や内部に起こった情報に対応し、体内において特定の器官で合成・分泌され、血液など体液を通して体内を循環し、別の決まった細胞でその効果を発揮する生理活性物質を指す」。本書を読むにあたって「ホルモン」のことをあまり知らなかったので調べてみたら、このような解説がありました。わかったようなわからないようなというのが正直な感想です。そして読み終えて一番最初に思ったのは、ホルモンという物質の正体がいまだにハッキリとわからないところにこそ、本書の鍵があるのだということです。
すべての科学は、わからないものを理解するのが目的だともいえます。そのプロセスは多くの成功と失敗の上に成り立ちます。現在というタイミングで知りえた知識を、さも当たり前のように享受していてもそれらは先人の紆余曲折があってこその話で、忘れられがちな科学の道程を本書は示してくれます。
本書はホルモンについての解説本ではなく、研究者のドラマが描かれています。ホルモンについて学術的な内容もありますが、主役は研究者とそれを取り巻く人間であるところが本書の特徴といえます。
「犯罪」「若返り」「出産」「成長」「ジェンダー」などの大きな問題に関わる物質を研究するにあたり期待が膨らむ一方で、予期しえなかったリスクもあり、科学というものが持つ有益性と危険性も表裏一体のものとして物語は進みます。本書の帯には「欲望を支配する」という文言がありますが、人々の期待の裏側には欲望が見え隠れします。純粋な科学の物語ではなく、そこに欲望という要素が加わると一気に人間臭さが加わります。
ホルモンの歴史は決して過去の問題とはいえず、とりわけジェンダーの問題は最近になってから大きく取り上げられる機会が増えつつあります。ホルモン研究の歴史はまだまだ続編がありそうです。それは未知なるものに翻弄される物語なのかもしれません。
(辻田 浩志)
出版元:化学同人
(掲載日:2023-05-02)
タグ:ホルモン 研究史
カテゴリ 科学
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