寝たきりにならないための転倒骨折予防術
林 泰史
月刊スポーツメディスン69号の特集『骨を鍛える』に登場いただいた東京都老人医療センターの林院長が監修した本。第1章「転ばぬ先の知識と生活」では骨折危険度チェックシートを始め転倒の要因と予防法を、第2章「骨もからだも元気になる食生活」では骨を強くする食材やレシピを、第3章「骨折予防ワーク」では誰でも簡単にできる骨を鍛えるためのエクササイズがそれぞれ解説されている。
高齢者の骨粗鬆症は増え続け、寝たきりになる原因として70歳以上で3位、90歳以上の女性では1位が骨折となっている。林院長は「生涯骨元気のススメ」の項にて、「『骨抜き』では命が成り立たない」と述べ、骨を丈夫にするポイントとして(1)不摂生をしないでよく歩く、(2)乳製品、小魚、大豆加工品と野菜をよく摂る、(3)日光にほどよく当たるの3点を挙げる。骨折→動けない→気力が失せる→寝たきりの悪循環にならないよう、骨を意識した食事・運動を取り入れていきたいものだ。
2005年7月1日刊
(長谷川 智憲)
出版元:家の光協会
(掲載日:2012-10-10)
タグ:高齢者 転倒予防
カテゴリ スポーツ医科学
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寝たきりにならないための転倒骨折予防術
林 泰史
「骨抜き」では命が成り立たない。
それなのに、今、小学生は簡単に骨折してしまい、高齢者の骨粗鬆症も増え続けて、70歳以上の方が寝たきりになる原因の3位を「骨折」が占め、90歳以上の女性では脳卒中より多く1位になっている。骨折→動けない→気力が失せる→寝たきり、は一直線。骨はまめに動いていないとすぐ衰えてしまうが、都会より農村の高齢者のほうが、骨が弱くなっていることも気になる。骨を丈夫にする方法はとてもシンプルで、①不摂生をしないで良く歩く、②乳製品、小魚、大豆加工品と野菜をよく摂る、③日光にほどよく当たる、この3つのポイントを守ると骨密度が上がり寝たきりを防げる。これは生活習慣病を予防する生活と共通している。
第1章で骨に関する知識と生活習慣で気をつけることを分かりやすく記載されている。この第1章を読み実践するだけでも十分骨折を防ぐことができると思う。第2章では骨を強くする食に関する内容。牛乳・小魚だけでカルシウムを補っている人も多いと思うが、骨を強くする食材・食べ方にはいろいろあり、簡単でもっと気楽にカルシウムを補えることに感動するだろう。第3章では骨折予防のワーク。基本的な運動やストレッチングだが、やるのとやらないのではやはり骨には大きな影響があると思う。
これからはもっと予防が大切な時代になってくると思うので、日頃の生活習慣を見直すうえで何をすればいいかわからない人にはこの書籍はお勧めである。
(安本 啓剛)
出版元:家の光協会
(掲載日:2012-10-26)
タグ:転倒予防
カテゴリ スポーツ医科学
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簡単ストレッチ
桜井 静香
「生活の一部」というくらい日常的に行われるようになってきたストレッチングだが、聞きかじりであるためワンパターンになりがちだった。そのワンパターンを解消するために、「いつ、どのようなことをやったらいいのか」という分類を加えたところが新しい。また、優しいタッチで描かれたイラストも心地よい。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:家の光協会
(掲載日:2000-09-10)
タグ:ストレッチ
カテゴリ ストレッチング
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たまごかけご飯だって、立派な自炊です。
白央 篤司
たまごの値上がりが著しい。何十年もの間「価格の優等生」と言われていたたまごが、いやたまごまでも、である。何もかも値上がりしていく中、たまごよ、お前もか、という気分になる。もっともたまごが高いのはたまごをせっせと作ってくれている養鶏場のみなさんのせいではないし、私のお弁当はたまごなしでは成り立たない。
私は食い意地が張っている。どのくらいかというと未熟児スレスレで生まれて、このままだと保育器入りだと言われていたにもかかわらず、あまりにミルクの飲みっぷりがよかったので、入らずに済んだというのだから、これは生まれついての筋金入りである。当然、現在はその未熟児の影も形もない。そして「おいしいものが食べたい」という欲は少しだけ人より強いかもしれない。だから食事を作ることもそこまで苦ではないのだが、それでも忙しい、気分が落ち込んで何もする気にならない、ということは良くある。そんなときコンビニがある現代でよかったと心から思う。
さて、この衝撃的(?)なタイトルの本だが、良くある料理本とはひと味違う。著者の白央篤さんはフードライターで、ほかにも『自炊力 料理以前の食生活改善スキル』『ジャパめし。』などの著作がある。ご自身もTwitter(@hakuo416)で自作・他作問わず美味しそうな料理を多数アップしておられる。TwitterやYouTubeを始めとしたSNSには人気の料理関係者が何人もいらっしゃるが、白央さんは、まだ自炊をしたことがない人、料理初心者や、料理は好きじゃないけれど、という人に、作って食べることをもう少し楽に考えてほしい、と情報発信しておられるところが、いわゆる「料理研究家」とは少し違うところのように思う。この本でも料理に対するハードルがどのくらい低いか、最初のページを見るとわかる。開口一番「まず、最初にお伝えしたいことがあります。本書は『料理上手』を目指す人向けの本では、ありません。」とある。料理が好きな人、苦手な人、色々な人がいるけれど、生きている以上食べなければならない。仕方ないから自炊している、という人もいるだろうがそれはそれでいい、「料理は基本的にしたくないけれど、栄養のことも少しは考えたい、バリエーションも広げたい」そういう人のための本だというのである。
私は料理は嫌いではないが、先にも書いたようにクタクタにくたびれて帰ってきたとき、失敗をして落ち込み、何をする気にもならないとき、それでもお腹が空く、何かを食べなければならない、ということはよくある。たとえばトレーニングが終わって帰宅する。お腹は空いているけれども凝った料理を作る気力がない、などということはないだろうか。とくに一人暮らしだと「ちゃんとしたものを食べなくちゃなあ」と思いながらも、とりあえずの空腹を満たすために、もそもそと菓子パンを齧る、カップラーメンにお湯を注ぐ、なんてことはよくありそうである。そんなとき、ちょっとこうすれば。そんなアイディアをくれるのが本書だ。何より「そっか、これでいいんだ」という罪悪感から解放される感じがとてもいい、と私は思う。
栄養に関すること、食事に関すること、分かってはいるけれどなかなかそこまで手がかけられない、時間もない。ちゃんとしなくちゃ、ちゃんとしなくちゃ、と気ばかり重くなる。そんな状況から解放してくれる感が本書の魅力でもある。なにしろ「たまごかけご飯」である。
ところでこのたまご、少し前までは廉価で栄養価の高い、自炊の強い味方だった。その価格を知っていると今はちょっと手に取るのを躊躇う値段だというのは確かにその通りだ。しかし先日、スポーツ栄養士の方のお話を読んだのだが、その方曰く、こうした食費を少しケチって体調が今ひとつになるとする。調子が上がらず記録が伸びないかもしれないだけではなく、注意力に欠けてケガをするかもしれない。あるいは何かの栄養素が不足したり免疫が弱ったりして病院にかかるようなことになるかもしれない。そうすると仕事を休み、医療費を支出することになる。これでは節約するつもりが本末転倒である。たまごにしても高いとはいえ数百円、それで手軽に美味しくタンパク質を補給でき、病気や故障を避けられるのであれば安いものではないか、というのだ。なるほど、やはり食は基本だ。お味噌汁だってインスタントでいい。そこにたまごをひとつ、プラスする。そこから始める自炊というのはなんだか気持ちも軽やかでいいな、と思う。もちろんたまごかけご飯だけではない、色々な卵料理が載っている。これならできそう、と思わせてくれる一冊だ。本書の凄いところは、料理をしたことがない人に向けて道具や時間のことなども懇切丁寧に書かれているということだ。まずはたまごを買いに行く、そこからスタートである。食事が気にはなるけど自炊はなあ、という方はぜひ手に取ってパラパラとめくってみていただきたい。気持ちがすうっと楽になること請け合いだ。
(柴原 容)
出版元:家の光協会
(掲載日:2023-04-03)
タグ:自炊 栄養
カテゴリ 食
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