トレーニング日誌
ヴォルフラム・リントナー
書籍というよりタイトル通りトレーニング日誌である。競技者であれば誰でも練習日誌をつけているであろう。それを自転車に特化し、52週分のデータが書き込めるようになっている。日付が入っているわけではないので、その日から52週にわたって利用できる。
もちろんそれだけではなく、トレーニングに対する基本的な考え方や、ギヤー比などのちょっとした情報を簡潔にまとめてある。
細かい理論はほとんどないため、トレーニングに対して知識がなければこの日誌を使いこなすことはできない。記録をつけることは大切であるが、それは過去のことであり、目標を達成するためにどのような計画を立ててトレーニングを進めてゆくか。最初に年間計画のページがあるため、自然とどのようにトレーニングを進めてゆくべきかを考えることができる。
そのようにきちんと計画を立てられる競技者はどんなものでもかまわないが、自他共に認めるような三日坊主にとってはこのようなものがあったほうが長続きするかもしれない。
(澤野 博)
出版元:未知谷
(掲載日:2012-02-07)
タグ:自転車 日誌 トレーニング 計画
カテゴリ トレーニング
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ミラクルトレーニング 7週間完璧プログラム
ランス アームストロング クリス カーマイケル 本庄 俊和
スポーツ・サイエンス開闢への期待
2002年7月6日に始まった第89回ツール・ド・フランスは、21チーム総勢189名の選手がひしめき合う中、23日間のフランス一周の旅に出た。コース全長が3,277kmにわたるこのレースは、まさに人間が持ち得る叡智と体力のすべてを結集して挑戦する「世界でもっとも過酷なスポーツ・レース」といっても過言ではない。
この「世界でもっとも過酷な」レースを今大会を含めて4年連続で制した男がいる。その男の名はランス・アームストロング。アメリカ・テキサス州生まれ、30歳。彼は幼い時からサイクリングに親しみ、そしてごく自然にロードレースに出るようになったという。
さて、今回のもう一人の主役クリス・カーマイケルが、ランスと出会ったのは1990年ランス17歳のとき。当時、アメリカ自転車競技連盟の男子ロードナショナルチームコーチになったばかりのクリスは、ランスの走りを見て、彼が秘めている大変な潜在能力に気づくとともに、彼は走り方について何も知らないと感じたという。
ところが、順風満帆に見えたランスの競技人生に大きな転機が訪れる。それは、ランスの身体が癌によって蝕まれ始めているという事実から始まる。彼は、睾丸癌と診断されたのだ。1996年7月のことであった。
しかし、本書でこのことに触れられているのは、ほんのわずかだ。むしろ、本書のテーマはこんなところにあるのではないと言わんが如く、第一章から「自転車の基本」といきなり本質にフォーカスを絞って、機材のフィッティング、コンポーネント、メンテナンスと修理、ライディングポジション、ハンドリングなどの項目が並ぶ。玄人好みのハードな出だしだ。
そして、本書の心臓部はなんと言っても第二章「カーマイケル・トレーニング・システム(CTS)」。まさにこれがタイトルにある「ミラクルトレーニング」の本性であるわけだが、このシステムの中核をなす心拍トレーニング法やターゲット心拍数、有酸素運動領域の上限ぎりぎりでトレーニングするための乳酸閾値(LT)の概念などは、日本ではまだあまり一般的ではない。
このようなスポーツ・サイエンス領野の専門用語がごく普通のトレーニング用語として頻繁に文中に出てくるところに、スポーツパーフォーマンス(競技成績)とスポーツ科学の米国における親和性を羨ましく思うのは私だけであろうか。
極めつけは、本書後半に出てくる「ペダリングの科学」。アメリカ・オリンピック・トレーニング・センターのスポーツ科学技術部門が行ったバイオメカニクス・サービス・プログラムによるテストを分析した結果、ランスたちアメリカナショナルチームのペダリング・ストロークが画期的に変わったという。まさかこの結果が、その後のランスの強さのすべてとは思わない。しかし、こういった記述をみて、わが国でも一日でも早く、一般のスポーツ書籍の中に競技成績とスポーツ科学の相関が当然の如く記述され、それをまた当然の如く読者も受け入れられるようになってもらいたいものだと感じた。これこそ、まさにわが国のスポーツ・サイエンスの開闢というものではないか。本書は、そんな期待を抱かせる一冊であると、私は思う。
(久米 秀作)
出版元:未知谷
(掲載日:2002-11-10)
タグ:自転車
カテゴリ 運動実践
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ミラクルトレーニング 7週間完璧プログラム
ランス アームストロング クリス カーマイケル 本庄 俊和
自転車競技は自転車の素材や、性能だけで勝利できるものではない。それ以外にも身体能力を始め、さまざまな要素が勝利をつかみ取るためには必要になってくる。もちろんこれはどのスポーツにおいても同様だ。
近年自転車を始める人が多くなってきているという話を聞くが、自転車本体だけに話題が集中しているようにも思える。一度この本を読んで、トップレベルの競技者がどのように考えているのかと合わせて、自転車競技の奥深さに触れてほしい。
ランス・アームストロング、クリス・カーマイケル共著 本庄俊和訳
(澤野 博)
出版元:未知谷
(掲載日:2012-10-13)
タグ:自転車
カテゴリ トレーニング
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ロード競技トレーニング ホビーレーサーからトップアスリートまで
ヴォルフラム・リントナー 安家 達也
副題に「ホビーレーサーからトップアスリートまで」とあるように、さまざまなレベルの競技者に向けてのトレーニング法を紹介している。
どのレベルでも共通しているのは、現在の自分の状態を把握し、目標の設定をすることから始めることだ。ただし、現状把握も目標設定も、願望に強く影響された主観的なものではなく、客観的な根拠を伴っていることが重要である。
本書では、根拠となる基準の求め方、目標設定、達成後の再設定など、トレーニングプラン設計の重要性を解説している。ロード競技の競技力向上に必要な要素、条件をカバーしている一冊と言えるだろう。
(西澤 隆)
出版元:未知谷
(掲載日:2013-03-18)
タグ:自転車 トレーニング
カテゴリ トレーニング
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ツールへの道
今中 大介
世界的に有名な自転車のレースであるツールドフランスに、日本人で初めて参加した著者のヨーロッパでの生活を日記形式でまとめてある。日本にいては決してわからない世界で興味があるということもあるが、情景が目に浮かぶようでどんどん引き込まれる。
自転車競技のロード種目は一見すると個人種目のようであるが、実は団体種目でもある。アシストと呼ばれる立場の競技者がサポートカーから食料などの補給をチームメンバーに行ったり、アタックをかけたほかのチームのメンバーについていったり、逆にアタックをかけられないように速いスピードで走行し、集団をコントロールしたり、さまざまなことを行いながら、チームのエースを勝たせるようにする。
海外のある地域にたった一人の日本人といて生活をしてゆくことは非常に大変だ。もちろん周りの人は外国人ということで非常によくしてくれるので全く問題はないのだが、ふとした瞬間に寂しく感じることもある。その寂しさは、日本人と会ったときに妙にうれしく感じている自分に気がつくことで、実は寂しかったのだということを再認識する。しかしその寂しさがあることをわかった上で、日本を飛び出しストイックに世界基準の中で戦うことが必要ではないであろうか。科学的トレーニングという言葉に踊らされることなく、競技者として何を求めるのか。勝利に対する想いを再認識させられた。
(澤野 博)
出版元:未知谷
(掲載日:2013-03-22)
タグ:自転車
カテゴリ スポーツライティング
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今中大介 ツールへの道
今中 大介
日本のロードレーサーの先駆者である今中氏の、長年の“経験”が敷き詰まった「プロとしての日誌」が本になった。トレーニング日誌の様相を呈していながらも本場イタリアでの喜怒哀楽、プロとして生き抜くための秘話など、読み物としても味わい深く、競技を跨いでも楽しめるようになっている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:未知谷
(掲載日:2000-09-10)
タグ:自転車
カテゴリ スポーツライティング
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ジャン=マリ・ルブラン 総合ディレクター ツールを語る
ジャン=マリ・ルブラン 三田 文英 クリストフ・プノー
アマチュアからプロのサイクリスト、そしてジャーナリストを経てツール・ド・フランスを長く支えるジャン=マリ・ルブランに、これもツールの「資料魔」「うるさ方」として知られるクリストフ・ブノーがインタビュー。エリートコースを歩み、ツールを知り尽くした男が語る歴史と未来。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:未知谷
(掲載日:2000-12-10)
タグ:自転車
カテゴリ スポーツライティング
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