トレーニング科学最新エビデンス
安部 孝
本書は日本トレーニング科学会第20回記念大会で行われた、「トレーニング科学はどこまで解明したのか」という企画の内容をまとめたものである。
さまざまな種類の報告が掲載されているが、やはり「競技力向上のトレーニング」の章が気になる。
長年の経験や勘に頼ったトレーニングではなく、根拠に基づいたトレーニングを行うことで競技者の能力を十分に引き出すことができるのではないだろうか。それがコーチの仕事である。
(澤野 博)
出版元:講談社サイエンティフィク
(掲載日:2012-10-13)
タグ:トレーニング科学
カテゴリ トレーニング
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乳酸を活かしたスポーツトレーニング
八田 秀雄
乳酸について70個のQ&A形式で構成されている。一般の人が乳酸と聞いて疑問に思うことから、トレーニングに興味を持ち始めた学生が疑問に思うことまで、乳酸に関することを幅広く一通り解説してある。
本書に出てくる質問は簡単だが、それに対する回答は実は簡単ではない。しかしそれを誤解のない範囲で、かつ理解しやすい形でまとめてある。
いまだに疲労物質といわれ、誤解されている乳酸であるが、一般の人や競技者、コーチ初心者がとりあえず乳酸のことを理解するために役に立つ書籍である。
(澤野 博)
出版元:講談社サイエンティフィク
(掲載日:2012-10-13)
タグ:乳酸 トレーニング
カテゴリ スポーツ医科学
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新版 これでなっとく使えるスポーツサイエンス
征矢 英昭 本山 貢 石井 好二郎
「多くのスポーツ・体育の現場であがっている疑問の叫びを大事にしよう。できるだけトレンディーな情報を提供しよう。でも、理解できないのはだめだ。面白くないとね!」という著者らの思いから生まれたのが本書である。そして、スポーツサイエンスを「納得」し、「使える」ようにすることが本書の目的である。
全体の大きな構成として、「トレーニング」、「試合で勝つ」、「健康なからだ」、「基礎知識」という順番で、4つの側面から構成されている。これは、一般の健康づくりから競技アスリートまで、幅広く対応しようとするものなのであろう。また、実践的事例を経て基礎知識へ向かう構成が興味深い。これは、帰納法的側面から具体的な取り組みをイメージし、それらの本質を捉えるために演繹法的側面に収束させることで、「実践と理論を合致させる」ということを試みているように感じ、大変新鮮であった。
次に、各チャプターに目を向けると、指導現場で多く見られる疑問を豊富に取り上げている。そして、各疑問についての説明を見てみると、見開きの分量で、簡潔かつ論理的なため、大変わかりやすい。この内容であれば、学生アスリートでも十分に理解可能なのではないかと感じた。
また、もう一つの気づきを得られたような気がする。それは、指導者側は、「簡潔かつ論理的な説明の仕方を学ぶ絶好の教材になり得る」ということである。例えば、「ウォーミングアップ」ということについて、テーマに対する構成が、「本質的側面→具体的な取り組み内容→注意ポイント→まとめ」という流れになっているので、指導者自身の説明能力向上にも貢献できる内容であることを実感した。
以上のことをまとめると、本書は、幅広い指導対象への対応を可能にするだけでなく、指導者自身の知識の整理や説明能力の向上、さらには、辞書的機能としても貢献できるということである。本書は、2002年に発刊され、その後、増刷を重ねて改訂にまで辿り着いている。この側面から見ても本書の質の高さや、読者からの支持の高さがうかがわれるであろう。指導現場において、常に手元に置いておきたい一冊である。
(南川 哲人)
出版元:講談社サイエンティフィク
(掲載日:2012-10-14)
タグ:スポーツ科学
カテゴリ スポーツ医科学
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