ザ・ブレイン
ダイヤグラム・グループ 塚田 裕三 白井 尚之
「ウーマンズ・ボディー」「マンズ・ボディー」「チャイルズ・ボディー」「Sex」といった最新の医学をイラストを多用し、わかりやすく解説した一連の本に加えられたもの。
ダイヤグラム・グループというのは、いろいろな専門家を結集し、上記の通り、一般向けに高度な専門知識を視覚化する集団で、本拠はロンドン。
本書は「脳」をテーマに医学界で明らかにされていることを網羅したもので、脳の構造、神経系、脳の発育、感覚、本能と感情、意識と思考、薬物と欺瞞、精神は物質を越えて、脳研究の歩みの12章から成る。直接スポーツに関連する箇所は少ないが、スポーツは心身両面の活動であり、筋肉同様脳へも関心を向けざるを得ない。
この分野では難しい本が多い中、素晴らしいイラストと編集の妙が冴えているこの一冊は、読み物としても読者の興味をそそるだろう。
このシリーズをはじめ、近年、人間の身体に関する本が多く出版されている。なかにはただ人の不安を誘うようなものもあるが、この2〜3年は、科学や医学に基づいた新しい視点のものも目立ってきた。この分野の充実が望まれる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:鎌倉書房
(掲載日:1983-08-10)
タグ:脳
カテゴリ 身体
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体力づくり全プログラム
ダイヤグラム・グループ 高橋 睦子 池上 千寿子
このコーナーで一度紹介したことのあるダイヤグラム・グループによるシリーズの1冊。原題は、“The Complete Encyclopedia of Exercises”。いわば、“運動百科”である。運動に関し(350種以上)、イラストを豊富に使用、読む以前に、かなり視覚的に内容を把握できる。本誌編集部としては、やはり驚いてしまう。というのは、こういう本は日本では編むのが難しいからだ。以前にも書いたが専門家を結集して1冊の優れた本をつくるグループ・ワークの妙に感嘆せざるを得ない。編集者の立場でいってしまったが、編集者は最初の読者という考え方からすれば、この本がいかに面白く興味深いかおわかりいただけるだろう。
全体は8章(運動をしましょう、フィット・ボディ、フィットネス・レベルを測る、目的に合わせた運動、パートナーの運動用具、運動とスポーツ、特殊な運動、運動プログラム)から成り、イラストのほか図表も豊富でわかりやすい。そして、Encyclopediaというだけあって、東洋の運動(太極拳、ヨガなど)も含まれている。運動の概念、実際、医科学的バック・グラウンド、こういったものの全体を見通し、整理するうえで貴重な1冊である。
スポーツ・メディスンという分野自体が、広い分野の結集であり、スポーツ・メディスン全体の専門家というものは存在しないといってもいい。多くの専門家の総体がスポーツ・メディスンなのである。その意味で、この本は画期的であり、グループ・ワークとして成功しているのもうなずける。価格も内容の割に安価である。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:鎌倉書房
(掲載日:1983-12-10)
タグ:運動処方
カテゴリ 運動実践
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