ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
関節可動域制限 病態の理解と治療の考え方
沖田 実
本書は、関節可動域制限に関して、この病態をもたらしているのは何であるかの発生要因を捉えなおし、治療に向けた考え方をまとめている。編者の「関節可動域制限との戦い」をベースとする、理学療法士向けの専門書である。
まず第1章では、発生状況についての調査をまとめ、定義や分類について検討し、さらに筋や靭帯、関節包といった関節の構造と機能について要素ごとに解説される。そして各要素がどのように関節可動域制限に関与しているかを述べる。第2章からは、実験動物モデルによって関節可動域制限のメカニズムを探るために行われている関節を固定する(不動化)実験について具体的な方法が紹介される。また、筋や筋膜、靭帯、関節構成体(関節包、滑液、関節軟骨)にそれぞれ着目して、どのように変化しているか、顕微鏡写真やグラフ、図を用いて解説している。こうしたことを基礎として、第3章ではより臨床に近づいた観点から、どういう治療手段を用いてアプローチしていくか、またその治療効果の検証について検討している。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:スポーツ医科学
タグ:可動域
出版元:三輪書店
掲載日:2008-03-10