ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
運動しても自己流が一番危ない 正しい「抗ロコモ」習慣のすすめ
曽我 武史
ロコモティブシンドロームの予防ということで運動指導をしているトレーナーは数多くいる。しかし、それ以上にロコモティブシンドロームや、その予備軍となる方は多いであろう。そうなると運動指導者と巡り会えずに自己流でのトレーニングとなる方は少なくない。自分1人で運動をすることが悪いのではなく、やみくもに身体を動かしているだけで筋肉を機能的に使えておらず、筋力が低下していく「運動をしている“つもり”」が危険だということだ。
本書ではその“つもり”がないように、運動のコツをわかりやすく3つ紹介してくれる。また、ロコモ予備軍のチェック法からトレーニングまで簡潔に書き記されている。運動を推奨する書籍であれば、筋トレのバリエーションを豊富に取り上げそうだが、本書は違う。シンプルなトレーニングを効果的に取り組むことを伝えようとしていることがわかる。同時に日常生活にも目を向け、何に注意するかも理解できる。
一方、トレーナーとして拝読した私にとっては、初心を思い出させて頂いた一冊となった。本書に書かれている内容はトレーナーがクライアントに伝える基礎の部分であった。
トレーナーが一読してクライアントに伝えてもよし。運動をしよう、している人が読んでもよし。本書が読まれ、日本の健康寿命が伸びる1つのきっかけとなってほしい。
(橋本 紘希)
カテゴリ:運動実践
タグ:トレーニング 生活習慣 運動指導 ロコモティブシンドローム
出版元:講談社
掲載日:2014-10-15