ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
「東洋の魔女」論
新 雅史
産業社会学を専攻する著者ならではの視点で、「東洋の魔女」と呼ばれた日紡貝塚女子バレーボールチームが再分析されている。
レクリエーションとして始まったバレーボールが、繊維業界の変遷や東京オリンピック開催、テレビの普及といったさまざまな要素を経て「東洋の魔女」という必然を生んだ。国中に切望された金メダルを獲ることこそが魔法を解く鍵、つまり一女性としての出発であったというのは、彼女らをバレーボール選手として捉えるだけでは見えてこないもので、新鮮だ。
それから時代は大きく変わったが、アスリートであると同時に学生・社会人でもあり、場合によっては母や妻でもある「女子選手」がどうバランスを取るべきかは、現代にも共通するトピックではないだろうか。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:スポーツ社会学
タグ:バレーボール 東洋の魔女
出版元:イースト・プレス
掲載日:2013-11-10