ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
スポーツにおける真の勝利 暴力に頼らない指導
菅原 哲朗 望月 浩一郎
スポーツ指導からいかに暴力を排するか。座談会・論文・インタビュー・アンケートとさまざまな形式、また指導者育成やスポーツの歴史などさまざまなアプローチからこのテーマに真摯に向き合った。編集に携わった多くは弁護士だが、現場の声も聞き、現状暴力が存在するなら状況を変えるために力を合わせていこうという姿勢が感じられる。
トップレベルで活躍し、現在は指導の立場にあるヨーコ・ゼッターランド氏や米倉加奈子氏の現役時代のエピソードはとくに生々しいものだが、暴力が何も成果を生まないことが改めて理解できる。「こうしたら暴力はなくなる」という結論は安易には出ないが、スポーツに関わる人間として考え続けなければならないと思わせる一冊だ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:指導
タグ:指導 暴力
出版元:エイデル研究所
掲載日:2013-12-10