ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
もっと投げたくはないか
権藤 博
「権藤、権藤、雨、権藤」の著者がタイトルのようなことを言うと、スポーツ医科学を無視した懐古論かと思われるかもしれない。だが、指導の立場に回った権藤氏は、自らの経験を踏まえた「投げさせないコーチ」であった。つまり、個々の肩の状態をしっかり見極めた上で、プロ投手としてのあり方を提言している。それが伝わってくる自伝である。
また、冒頭には松山千春氏との対談が掲載されているが、スポーツと関係ないのでは、と飛ばしてしまわないでほしい。松山氏の言う「明日も球場に来てください、と口でお願いするようなプロは嫌いだ」にはハッとさせられる。プロに求められるのは圧倒的なプレー。もっと投げて、シーズン30勝を挙げるような選手ということだ。
もちろんプロ野球選手に限らず、仕事に取り組む人すべてに参考になるのではないだろうか。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:人生
タグ:野球 投球 指導
出版元:日刊スポーツ出版社
掲載日:2015-01-10