ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
「黒幕」を知れば痛みは治る
高子 大樹
治療家がいくらレベルの高い知識を持っていても、それが患者に伝わらなければ納得はしてもらえません。納得のないところに「信頼」は生まれないでしょう。難しい理論を語る治療家は大勢いらっしゃいますが、治療家が考えていることを正確に伝えられることとはまた話は別になってきます。
治療家が考えていることをわかりやすくかみ砕いた説明が、この本の特徴だと思います。治療家と患者の考えのギャップを埋めるにはちょうどいい本ではないかと思います。
内容的にも奇をてらったものはありませんし、比較的オーソドックスなものだといえるでしょう。
治療家が百人いれば百通りのアプローチがありますので、考え方の違う人も必ずいらっしゃるでしょうが、私としてはおおむね異議なしといったところ。
「黒幕体操」なるものが後半に登場しますが、これも一般的によく行われている運動法ですのでお勧めしたいところです。要はこういうところで「黒幕体操」というネーミングで興味を持たせるところに筆者の知恵を感じます。こういう演出も場合によっては必要です。
読者が興味を持たず印象に残らない内容であれば意味はありません。そういう点で面白く読ませていただきました。
(辻田 浩志)
カテゴリ:身体
タグ:痛み 治療
出版元:自由国民社
掲載日:2017-06-14