ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
解剖学でわかる ランニングシューズの選び方
鈴木 清和
夏も過ぎ去り、ようやく秋の気配が感じられます。この秋シーズンから全国でマラソン大会が開催されるにつれ、ランニング練習をする方が街中で見られます。
さて、この書籍はランニングシューズに着目しています。日本の各スポーツ用品メーカーを見ても毎年しのぎをけずりながら新しいランニングシューズを作っています。もちろん海外からも素晴らしいランニングシューズが発売されています。そう思うとランニング愛好家は数あるシューズから自分の足に合った1足を決めるのは本当に悩ましいことだと思います。
そもそも、足が地面を蹴るには靴が必要です。なぜなら、アスファルトを蹴るには裸足では痛すぎるからです。その靴が足本来の持っている機能を引き出すためには、自らの足に合っているシューズ選びが必須です。
本書では、そんなランナーのために自分の足に合った靴選びの方法を紹介しています。ランナー自身の体格、足の形、着地の仕方、ランニングフォームや、シューズの形状や硬さや柔らかさ、シューズの合わせ方、紐の結び方まで多岐にわたります。まずは現在使用しているシューズがどのタイプに該当するか、確認することをお勧めします。ただ、自分自身のフォームが分かりづらい点や、自分の着地のタイプがどのタイプに分類されるか正しく識別する判断基準が難しいです。また、数あるシューズから自分に合ったシューズを選ぶ大変さや、予算の面など、時間とコストを考える必要性もあります。
私も恥ずかしながら一度だけフルマラソンを体験しています。なんとか完走しましたが、35キロ過ぎから糖分を使いきった影響で頭は働かず下半身は疲れ切り、足裏が靴擦れでヒリヒリと痛かったことを記憶しています。その際に使用していたシューズは忘れましたが、もっと自分に合ったシューズを選んでいればもっと楽に走れたかもしれないと後悔しています。
著者は冒頭で「シューズは足に合わせるな」と述べています。逆を言うと、シューズは自分の足に合わせるべきと解釈することもできます。ぜひ、これからのマラソンシーズンに自分の足に合ったシューズを見つけて楽しいランニングライフを送ることを願っています。
(中地 圭太)
カテゴリ:スポーツ医科学
タグ:シューズ 靴
出版元:スタジオタッククリエイティブ
掲載日:2019-10-17