ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
ピラティスバイブル 創始者J・H・ピラティスの信念と哲学、そして真髄
櫻井 淳子
一般の方から、プロアスリートまで老若男女を問わず人気が高いエクササイズがピラティスです。とくにフィットネスクラブのスタジオレッスンの中で行われることが多いです。日本では2000年初頭から人気を博し、徐々に浸透していった印象があります。現在では数多くのピラティス団体が存在しており、ピラティス指導者が毎年誕生しています。
さて、この著者も元々は体の不調を治すために受けていたピラティスに魅了され、指導者へと進んでいます。指導者として携わっている過程でよりピラティスを学びたいという意欲から渡米し、創始者ジョセフ・ピラティスから直接指導を受けた経験を持つ指導者の元までたどり着いています。ここまでの情熱を持った著者だからこそ、伝えたいピラティスの真髄や考え方があります。そして、「ピラティス」という言葉だけが一人歩きしないように書籍内で警鐘を鳴らしています。ジョセフ・ピラティス氏の一生涯についても詳しく書かれています。また、愛弟子であるロリータ氏からの話もあり、ジョセフ・ピラティス氏について深く知ることができます。
私も16年ほど前ですが、大阪市内のマンション内で大きなリフォーマーを使用して一度だけピラティスを経験したことがあります。その際、指導者のキューイングに合わせて動いていましたが、実際の動きと自らの体の動きがリンクせず非常に難しかった記憶があります。私の体が硬いこともありましたが、関節一つ一つを細かく動かすのがこんなにも大変であると感じました。
各団体により、その考えも色々ありますが、ピラティスはジョセフ・ピラティス氏が作ったものであり、礎の元は彼です。ピラティス指導者やピラティス愛好家は迷った際、この書籍から創始者の考えに触れる、またその志を学ぶことをお勧めします。
(中地 圭太)
カテゴリ:指導
タグ:ピラティス
出版元:現代書林
掲載日:2020-01-24