ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
サッカー批評原論 ブラジルのホモ・ルーデンス
今福 龍太
2008年に出版された著書の再編である。タイトルの「ブラジル」は国名でなく、人間の身体を野生に向けて解放するユートピア。「ホモ・ルーデンス」は文化史家のホイジンガがヒトに与えた、遊ぶ人という意味の学名だ。ブラジルのホモ・ルーデンスが遊ぶサッカーに対して、近代スポーツとしてのサッカーは教育や政治やマーケティング、テクノロジーといった小世界に閉じ込められている。本書は、文化人類学者の今福氏が、起源、伝播、戦術、ファンダムなど 9 つの原論から、サッカーの遊び心や美学を探求し、考察していく。すっきり「わかった!」とはならないかもしれないが、「あれがそうだったのか」という発見がある。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:その他
タグ:サッカー
出版元:コトニ社
掲載日:2021-01-10